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すれ違う老女の聲や秋の昼 魅歌 [日記・雑感]

早起きし、我がパートナーの運転で海を観に行く。
半年ぶりかなあ。
街道沿いにある何度も来ている蕎麦・懐石の一店。
開店15分前に着いたので、初めて周辺をウォーキング。

川が流れ小さな滝も見える、極々せまい径。
すれ違いざまの一瞬、義母くらいの年代の女性が「こんにちは」とひとこと。
咄嗟に何も返せなかった。”人好き”の美加が、
日傘が相手に当たらないよう、傾けただけで、何も言えなかった。
この時世の所為で、他人と言葉を交わさないのが習慣になっているのだ。
何て厭なことだろう。ゴメンなさい、おばあちゃん。

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開店と同時に店内に入ると、客は我々だけ。
”薪割り牛蒡”の天ぷらが呼び物らしいので注文。
海老や野菜天も付けられるとのこと。
我がパートナーはいつも注文するお刺身や煮物も付いた定食を注文し、シェア。

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この牛蒡天、スグレモノのうえ、11本もある!
シェアして良かった、冷たいビールとよく合う!

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腹ごなしに歩く。『川喜多映画記念館』は、
美加の拙著『私の偏愛シネマ・ガイド』も所蔵してくれている。有難いこと!
現在は原節子・山口淑子展開催中。

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人出が増えてきたので、海を観ながら帰途につく。
我々より年上とお見受けするサーファーのオジサマの雄姿(?)をキャッチ!
ラメのドレスのようにきらきら光る海。
泳げないから水はきらいなのに、
どうして海を観るとこんなに心穏やかになるのだろう。
さようなら海よ、また来ます。海にちなんだジャズソングを集めて、
練習してみようかなあ・・・

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紫式部もうすこし歩こうか 魅歌 [日記・雑感]

火曜日は、新宿『ハイアットリージェンシー東京』で開かれている
我がクラブ例会にZOOM参加。
この日は会場での出席者は15名とのこと。
ZOOM参加は美加を含め4名か。
他から卓話者を呼びにくい時世により、
我がクラブから一級建築事務所 代表取締役H.O氏の卓話を興味深く聴く。
ZOOMホストを務めてくれているA.H幹事ほか、皆さんお疲れ様!

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過ごしやすい天候となり、
例会後はウォーキングへ。1時間でも歩きたい。
あら!紫式部の実!毎年この色を観て、秋を感知する。

仕事柄、毎年晩秋から春先までの外出には
必ずマスク着用してきた美加、
今夏は初めて”夏マスク”のつらさを感じたが、
もう大丈夫、この気候ならマスクは例年通り、
何ということなく着けていられる。

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帰宅後は来週に控えたラジオ番組
”美加のNice'N'Easyタイム”の収録の準備。
新作映画があと一作届けば完成。
憂うべくこの時世だが、
新作映画がオンラインで試写できるのは非常にありがたい。
中野在住の美加でも、
試写室往復(DOOR TO DOOR)75~80分は費やす。
何処で観ようと、観る姿勢さえ整っていれば、
映画はしっかり観られると信じる。
娯楽で観る人は大きなスクリーンが良いが。
時間を有効に使えるよう、
改善すべき点は収束後も継続して貰えるといいなあ・・・

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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.77『ウエストワールド』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1973年 アメリカ映画 マイケル・クライトン監督 『ウエストワールド』
(WESTWORLD)
 
 作家のマイケル・クライトンが
初めて映画監督(兼・脚本)を務めた一作。
舞台は近未来、『デロス』と名づけられたテーマ・パークに、
二人の男が入場するところから映画は始まる。
 
リチャード・ベンジャミン扮する主人公は
妻に裏切られ離婚しながらも、未練たっぷりの弁護士。
見かけは派手だが、遊び慣れてはいないタイプ。
もう一人はジェームズ・ブローリン(ジョシュ・ブローリンの父)扮する友人で
『デロス』体験者。
彼が主人公を連れてきたらしい。
さて『デロス』とは、どんなテーマ・パーク?
 
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さながら三つの時代にタイム・スリップ気分で、
ヒーロー、アウトロー、望むキャラクターになれる。
冒険、ロマンス、強盗、殺人、人間そっくりのロボット相手に
何でもござれの『デロス』、いやはや、支障をきたさないわけがない!
 
本作に於ける圧巻はユル・ブリンナー扮するガンマン姿のロボット。
『荒野の七人』('60)で演じたクリスのセルフ・パロディ的いでたち。
こんなにロボット役が似合うスターは他にない。
全体のローテク感を凌駕するブリンナーの存在感に圧倒される!こわい!夢に出そう!
 
近年テレビ・シリーズでもリメイクされたが、88分に仕上げたオリジナル版、
70年代を懐かしみつつ、憎めない。 

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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.76『歌え!ロレッタ 愛のために』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1980年 アメリカ映画 マイケル・アプテッド監督 『歌え!ロレッタ 愛のために』
(Coal Miner's Daughter)
 
ブライアン・デ・パルマ作品『キャリー』(’76)で、
シシー・スぺイセクという女優を知った。
スティーヴン・キング原作のホラーであり、
やせっぽちでソバカスだらけの超能力を秘めた女子高校生を大熱演、
オスカー・ノミニーとなった。
実生活では26歳で1児の母であったと知り、驚愕!
 
4年後にシシーが見事オスカーを獲得したのが、
実在のカントリー歌手ロレッタ・リンに扮した本作。
30歳で2児の母となっていたシシーは、13歳から中年までのロレッタを演じきり、
魅力的なハスキー・ヴォイスで、歌もすべてこなしたのだ。
美人ではないが、一度みたら忘れられない個性的な面差しと、
才能にあふれた女優である。
 
歌え!ロレッタ愛のために.jpg 歌え!ロレッタ愛のために (2).jpg
 
原題どおり、炭鉱夫の娘であったロレッタの
歌の才能を開花させる夫に扮するのはトミー・リー・ジョーンズ。
30代から皺の目立つ強面であり、
まさか日本のCMにまで出演するような
人気者になるとは思いもかけなかったが、
本作あたりから、メイン・キャストを演じるようになっていったのだなあと、
懐かしく観かえした。
 
結婚指輪もなかった13歳の少女が人気歌手となり、
6人の子どもの母親でもあったロレッタ・リン。
はかり知れない生きざま。
そういえば、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)で
ジョニー・キャッシュの妻ジューン・カーターに扮し、
オスカーをゲットしたリース・ウィザースプーンの歌声も見事だった。
亡き父・巨泉が褒めていたっけ・・・
観くらべ、聴きくらべるのも、
映画ファン&音楽ファンの一興かも。

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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.75『海と毒薬』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1986年 日本映画 熊井啓監督 『海と毒薬』
 
黒白であるべき映画。黒白で救われた映画。
カエルの解剖すら怖気づくのだから、カラーなら到底見られない。
遠藤周作の原作を、社会派の熊井啓監督が
構想から17年後に完成させた力作である。
 
太平洋戦争末期の1945年、
九州の或る大学の医療機関で
研究と診療の日々を送る、二人の医学部研究生。
奥田瑛二扮する繊細でやさしい勝呂と、
渡辺謙扮する利己的な戸田、中背の優男と長身の強面、
この二人、精神面に於ける己の人生を左右する
出来事に対峙することとなる。
米軍捕虜を生きたまま解剖するという実験に
参加を余儀なくされるのである。
 
海と毒薬.jpg 海と毒薬 (2).jpg
 
メイン・テーマに至るまでの、
この時代の医療機関の日常描写は心に迫ってくる。
重い病に罹患したら、死とは隣り合わせ。
”with COVID-19”までも、”病との共生”などあり得ない時代であったと
見せつけられると、改めて身震いがする。
 
男性陣は田村高廣、成田三樹夫、西田健など名優が揃っているが、
今回、観なおして注目したのは女性陣。
看護師長を演じた岸田今日子、ワケアリ看護師の根岸季衣、
勝呂が執着する最初の患者に扮した千石規子、
生々しく緊張感あふれる存在感が素晴らしい。
 
海で始まり、海で終わる、贖罪なき物語。
続編を撮れないまま、熊井監督は亡くなってしまった。

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