”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.74『ウエディング』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]
1978年 アメリカ映画 ロバート・アルトマン監督『ウエディング』
(A WEDDING)
(A WEDDING)
群像劇の名手といえば、真っ先に挙げたいのが、ロバート・アルトマン。
郊外の緑のなか、白鳥のように羽根を広げる大邸宅での、
結婚披露宴に集う人々の人間模様を綴った一日の物語。
結婚披露宴に集う人々の人間模様を綴った一日の物語。
主人公を限定せず、登場する人々それぞれの
キャラクターのエピソードがフィーチュアされ、
キャラクターのエピソードがフィーチュアされ、
ぼんやり観ていると、ついていけなくなる!
本作で最も注目したいのは、サイレント時代からのスター
女優リリアン・ギッシュが重要な役を演じていること。
女優リリアン・ギッシュが重要な役を演じていること。
それにしても、まともな人物が殆ど出てこない!
猥雑でシニカルで、身勝手で、
いやいや、こんな人たちにもピュアな時代はあったはずと、
いやいや、こんな人たちにもピュアな時代はあったはずと、
アルトマンは締めくくる。巧いなあ!
ジャズ・ファンとしても知られ、
生まれ故郷を舞台にしたジャズの映画
『カンサス・シティ』(’96)も作ってくれたアルトマン。
生まれ故郷を舞台にしたジャズの映画
『カンサス・シティ』(’96)も作ってくれたアルトマン。
”グランドホテル形式”と呼ばれている群像劇の手法に、
ヴァリエイションを与えた功績は大きく、
ヴァリエイションを与えた功績は大きく、
才気ほとばしる『ショート・カッツ』(’93)などは好例といえる。
先ごろ亡くなったジャズ・シンガー、アニー・ロスも出演、
サウンド・トラックにも参加していた作品であり、
サウンド・トラックにも参加していた作品であり、
観なおすのが、待ち遠しい!