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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.67『イグジステンス』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1999年 アメリカ映画 デイヴィッド・クローネンバーグ監督『イグジステンス』(eXistenZ)

生まれ変われるなら、怖いものなしになりたい!
そう真剣に思うくらい、大の怖がりである。
地震、雷にはじまり、怪談、爬虫類などなど、
こわいもの満載の人生であるが、なぜかクローネンバーグ・ファン!

カナダ出身の鬼才であるからして、
長年カナダに暮らしていた亡き我が父・巨泉も彼の名は知って居り、
映画談義の際、「えっ!美加ちゃん、クローネンバーグの映画なんか好きなの?」と
意外そうであったっけ・・・
文章家の我が父には理解し難い映画作家かな。
とにかく見せて、見せて、見せまくる。

イグジステイング.jpeg イグジスティンス.jpg

初めての”クローネンバーグ体験”は『ヴィデオドローム』(’82)、
すっかりはまってしまった。
SFでありながら機械的でなく、
日常につながる生々しいイメージに惹かれたのかも知れない。
以来、殆どの作品を観てきたが、本作の舞台となるのは、
脊髄に開けたバイオポートにアンビコードを差し込んで愉しむ
ヴァーチャル・リアリティ・ゲームを娯楽とする世界。
つまり、背の穴に臍の緒みたいなコードを差すのですよ、如何ですか?

主演は小柄なクール・ビューティ、30代のジェニファー・ジェイソン・リーと、
美男ぶりも妖しい20代のジュード・ロウ。
このゲームはセックス、ドラッグ、アイデンティティへの挑戦か?
たぶん、悪夢を映像化したのかも。
それならやはり、クローネンバーグ監督と話が合うはず。
説明不可能な凄い夢、よく見るからねえ!
夢から覚めて「ああ、夢でよかった!」となるほうが、逆よりマシでしょう?

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