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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.66『いつも2人で』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1967年 アメリカ映画 スタンリー・ドーネン監督『いつも2人で』
(Two For The Road)
 
痩せ型のオードリー・ヘプバーンは老けるのが早かったが、
30歳以降はいくつかの人妻役に挑み、映画ファンを楽しませてくれた。
時の止まった”妖精”ではなく、
人生を生きる”妖精”としても、
スクリーンに軌跡を遺したといえる。
 
本作は、そんなヘプバーンが最も役者としての演技を求められ、
応えた一作と信じる。
 
一組の夫婦の道程を、
遊び心をふんだんに盛り込んで仕上げた意欲作。
”ア”の項で紹介したベルイマン作品『ある結婚の風景』のアメリカ版と言っても良いだろうか。
 
往年に観たときは、めまぐるしいフラッシュ・バックに落ち着かなかったが、
何回も観ると感慨の増す一作。
但し、結婚生活を経験したことのある人のみ!

いつも二人で.jpeg いつも二人で②.jpeg

記憶は万華鏡のようにくるくるとめぐり、突然に戻っても来る。
まさしく、フラッシュ・バック。
行き違いをいつまでも悩んだり、恨んだりするのは馬鹿々々しい。
夫婦を続けるなら、いちいち、いちゃいちゃ仲直りすればいい。
本作の夫婦のようにね!

ヘプバーンの夫に扮するアルバート・フィニーは実年齢は7歳年下だが、
がっちり体型とアクの強いしゃがれ声により、同年か年上に見える。
中年以降も、コーエン兄弟、ティム・バートン作品などでも脇を固めた個性派。
”ア”の項で紹介した作品では『アニー』のウォーバックス役がある。

テーマソング”Two For The Road”は、
名匠ヘンリー・マンシーニの最高傑作、
ジャズ・ヴォーカル・ヴァージョンも多い。
でもでも、やはり本作のサウンド・トラックとして流れるのが最高だなあ!
出だしの4小節で涙でちゃうものねえ!

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