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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.63『イヴの総て』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1950年 アメリカ映画 ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督『イヴの総て』
(All About Eve)

女優たちの個性を愉しむ映画である。
主演は当時すでに大女優であったベティ・デイヴィス。
細面に大きな、おおきな目(三白眼で、ぱっちりと言うよりギョロリ)が
一度見たら忘れられない。
ハリウッドには無難な美人が圧倒的に多かった時代に、超個性派と言える。
デイヴィスが扮するのは40歳になったブロードウェイのスター、マーゴ。
これはもう、迫力満点の名演!
セカンド・ロールはタイトルとなったイヴに扮するアン・バクスター。
大女優に近づき、地位を乗っ取る若い娘の代名詞となった”EVE”役であるから、
インパクトがあり過ぎないほうが良い。

ブロードウェイの内幕を暴露したストーリーがオスカー6部門を獲得しながら
、女優陣には受賞なしという皮肉、
こちらも裏工作ありかと、邪推したくなる。

イヴの総て.jpg イヴの総て②.jpg

無名時代のマリリン・モンローが
イヴに負ける女優の卵として登場することは知られているが、
今回、観なおし、名脇役セルマ・リッターが、
うわあ、ここにも居ましたかの存在感発揮!
往年はスターであったが、現在はマーゴの付き人となっているオバサン役で、
虎視眈々とスターの座を狙うイヴの本性を最初から見抜いている!
うまいなあ、日本でいえば、山岡久乃さんみたいなタイプといえばいいのかな。

ベティ・デイヴィスは中年以降も名演を遺している。
こわいこわ~い『何がジェーンに起こったか?』(’62)
リリアン・ギッシュ共演『八月の鯨』(’87)などなど、また観かえしてみよう!

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