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泣初となりし詩人の歌集かな 魅歌 [日記・雑感]

泣初(なきぞめ)と読む季語。
読み手を泣かせようとして書いたものでは、
美加は泣かない。
想いを真っ直ぐに伝えようとする読み物に触れると、
壊れた水道みたいになってしまう。

2021年1月に没した詩人・相澤啓三氏の遺歌集が届いた。

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再婚の母許さざる少年の背筋を堅くとはに地吹雪

きみと手を握って眠る習はしが闇に落ちこむ怖れを支ふ 

五文字でも七文字でも詠み出だす意志をリハビリの最優先にせよ

これは三分あれは五分咲き コロナ禍で人なき並木の花ほしいまま

サルビアの赤あざらけく大輪の薔薇は咲くほどに片崩れしつ

人は人に会ひて人と成るその本然がパンデミック後のしるしとなれよ

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贈ってくれたのは、
我がジャズ・ヴォーカルの師匠とも呼ぶべき金丸正城氏。
多くの人に読んで欲しい、
コロナ禍をも詠んだ貴重な遺歌集と信じる。  

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