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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.107『踊らん哉』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1937年 アメリカ映画 マーク・サンドリッチ監督『踊らん哉』
(Shall We Dance)

フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースのコンビ作品は
殆ど観ているはずだが、時折アタマの中でゴチャゴチャになることも。
”ウ”の項で観なおしたかった『有頂天時代』(’36)は手持ちが見つからず諦めたが、
とても印象的なシーンが記憶にある。いつか書こう。

さて、アイラ&ジョージ・ガーシュウィン兄弟のナンバーが楽しめる
『踊らん哉』には”One and Only”のプロットがあり、
今回久々に観かえしても、大いに楽しめた。
そもそも、ジンジャー・ロジャースという女優は、無難な美人。
アステアとの共演のあるエリナー・パウエル、アン・ミラー、
シド・チャリシーなどと比べると、ダンサーとして弱いが、
個性派でなく無難な美人であるから、
アステアの”添え花”的存在として、かえって成功したのかも知れない。

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個性は弱くとも、整った顔立ち、グラマーでなく細身の体型、
何となくお嬢様タイプのジンジャーだからこそ、活きたシーンが本作にはある。
ジンジャーがゾロゾロ出てくるクライマックス!さあさあ、ご覧あれ!

「皆、私の恋を笑ったけれど、最後に笑う者は?」という
アイラ・ガーシュウィンの凝った歌詞の付いた”They All Laughed”
「折り合いつけて、仲良くやろうよ」という言葉遊びの一曲
”Let's Call the Whole Thing off"
「僕らは別れていくけれど、二人の想い出だけは誰も奪えない」という
”They Can't Take That Away From Me"など、
ガーシュウィン・ナンバーと、ゴージャスなシーンを楽しんで欲しい。
アステアのタップは本当にゴキゲンだが、歌も味わい深いよねえ! 

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春立つや北欧の刃のほの白く 魅歌 [日記・雑感]

三ヶ月以上遅れて、倅の誕生日プレゼントを買いに行く。
先だってお年賀を貰ったとき、想い出したのである。
なんでも、包丁が欲しいらしい。
目下、ひとり暮らしの彼は料理好きである。
「下町へ車で行こうか」とメールしてみる。
「いや、IKEAのちょっと高めのやつでいいよ」とのこと。
 
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我がパートナー曰く、現在の我が家の包丁もIKEA製らしい。
昔、下町で買ったことは覚えているのだけれど。
開店と同時に入店、人は少ない。
”高めのやつ”というと、これか。ゲーセンくらい。
 
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ろくにショッピングもせずに来たこの一年、
当店も三ヶ月ぶりかあ。
帰途の環七でおろして貰い、ウォーキング。
『梅里公園』のまえを通り過ぎると、
うわあ、一昨日に何もなかった枝に紅梅が
そこここに開いて居り、撮影するカップルも。
 
土日に公園を訪れることは避けているため、来週初めに改めて!

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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.106『オーシャンと十一人の仲間』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1960年 アメリカ映画 ルイス・マイルストン監督『オーシャンと十一人の仲間』
(OCEAN’S ELEVEN)

ソール・バスのタイトルは、いつ観ても心ときめく。
カラフルなネオン・サインを想わせるデザインが動き、
出演者の名前を刻んでゆく。
フランク・シナトラ、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィス・ジュニア・・・

大晦日の夜に、ラスヴェガスのクラブ5店舗を停電させ、
大金を奪う作戦を立てるのは、シナトラ&ラッツパック。
エンタテイメント軍団が、戦争でともに苦労した仲間という設定である。
従軍ではなく、慰問向きだよねえ!

オーシャンと十一人の仲間.jpeg オーシャンと十一人の仲間 (2).jpeg

サミーがコクのある声で歌うテーマソング"Eee-O Eleven”
ディーンが弾き語る十八番”Ain't That a Kick in the Head"もゴキゲン。
美加のご贔屓(見た目のことね)ピーター・ローフォードは
ミュージカル映画出演もあるのだから、
もっと皆に歌わせたり、
踊らせたりがあっても良かったのに。
130分の長丁場で、
御大シナトラは「歌は別料金」とばかりに鼻歌も歌わないし。

でもでも、いいじゃない!ラスト・シーンのカッコよさで後味は大満足。
何度観てもカッコいいラスト・シーン!
格もアピアランス順も関係なく、青空の下、
虚しく歩いてくるメンバーに、クレジットが浮かび上がる。
これほどお洒落なラスト・シーン、ほかにないでしょう?

スティーヴン・ソダーバーグのリメイク版を観たひとも観ていないひとも、
この機会にオリジナルにトライしてみては?

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節分や今宵は鬼に添い寝する 魅歌 [日記・雑感]

節分である。
自分の家庭を持ってから30余年、
毎年豆撒きをしている。
マンションの四階に住んでいた7年間は
全ての窓を開け放したりもしたが、
古い一戸建てを買い3年弱、
現在の三階家に建て替えてから20余年は、
玄関のみという年が多いかな。

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鬼役は常に、我がパートナー。
子らが幼いころは鬼のお面などかぶり
、盛り上げてくれていたっけ。
昨年の節分が想い出せない。
受賞の報せを貰った嬉しさのなか、
じわじわと疫病の報道も忍び寄っていた時期か。

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我が子らが結婚や独立で巣立ち、
再度ふたりきりとなって3年目の節分。
飽きもせず、我がパートナーに豆を浴びせる美加。
「鬼は~外~!福は~内~!」今年叫ばなくて、いつ叫ぶの!?

先日、倅から
「美加さんって、
      デモ隊の隊長みたいなひとだね!」と言われた。
なんじゃあ、そりゃ?
何とでも言え!
災いが消えてなくなるなら、
いくらでも叫ぼうじゃないの!

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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.105『黄金』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1948年 アメリカ映画 ジョン・ヒューストン監督『黄金』
(The Treasure of Sierra Madre)

ボギーの眼がぎらつく。
いぎたない態度で毒づき、平気で仲間を裏切る。
観客は、そんな彼から目が離せなくなる。
スター女優たちを向こうにまわし
”ハード・ボイルド”を演じるFirst Roleのスターでありながら、
ここまで汚れ役を演じきった俳優がほかにいただろうか?
ルックスは全く好みではないが、
やはりハンフリー・ボガートは凄い役者だったのだなあと、感心してしまう。

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舞台となるのは1920年代のメキシコの港町タンピコ。
ボギー演じるダブスと相棒のカーティンは、
ウォルター・ヒューストン扮する山師の老人ハワードと知り合い、
一攫千金を夢見て、シエラ・マドレの山中に、金鉱を求めて入ってゆく。

30年近くまえに初めて本作を観たとき、
ウォルター・ヒューストンの飄々たるキャラクターに感心したっけ。
言わずと知れた、ジョン・ヒューストン監督の父親である。
強面の息子と異なり、愛嬌ある面差しのウォルターは、
危険このうえない旅に不可欠なユーモアを振り撒き、本作の救いともなっている。
オスカーに於いては父・助演男優賞、
息子・監督賞を受賞という快挙も成し遂げた。
久々に観なおし、ジョンのカメオ出演にも気づき、にやり。
普遍の名作と再確認したぞ~  

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