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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.105『黄金』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1948年 アメリカ映画 ジョン・ヒューストン監督『黄金』
(The Treasure of Sierra Madre)

ボギーの眼がぎらつく。
いぎたない態度で毒づき、平気で仲間を裏切る。
観客は、そんな彼から目が離せなくなる。
スター女優たちを向こうにまわし
”ハード・ボイルド”を演じるFirst Roleのスターでありながら、
ここまで汚れ役を演じきった俳優がほかにいただろうか?
ルックスは全く好みではないが、
やはりハンフリー・ボガートは凄い役者だったのだなあと、感心してしまう。

黄金 (2).jpeg 黄金.jpeg

舞台となるのは1920年代のメキシコの港町タンピコ。
ボギー演じるダブスと相棒のカーティンは、
ウォルター・ヒューストン扮する山師の老人ハワードと知り合い、
一攫千金を夢見て、シエラ・マドレの山中に、金鉱を求めて入ってゆく。

30年近くまえに初めて本作を観たとき、
ウォルター・ヒューストンの飄々たるキャラクターに感心したっけ。
言わずと知れた、ジョン・ヒューストン監督の父親である。
強面の息子と異なり、愛嬌ある面差しのウォルターは、
危険このうえない旅に不可欠なユーモアを振り撒き、本作の救いともなっている。
オスカーに於いては父・助演男優賞、
息子・監督賞を受賞という快挙も成し遂げた。
久々に観なおし、ジョンのカメオ出演にも気づき、にやり。
普遍の名作と再確認したぞ~  

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