SSブログ

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.88『エルマー・ガントリー 魅せられた男』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1960年 アメリカ映画 リチャード・ブルックス監督 
『エルマー・ガントリー 魅せられた男』
(Elmer Gantry)

往年の俳優で憧れるのは、ゲイリー・クーパーやグレゴリー・ペック。
役者として興味深い人はたくさんいるが、
強面の悪役は「一緒に歩いてみたいなあ」とは思わないものね。

バート・ランカスターは、ちょっとコワいけれど、
”男性のかたまり”みたいな個性に惹かれる一人。
ヨーロッパの名匠たちからもオファーがあった点でも、
他のハリウッド・スターとは異彩を放っている。
”憧れ”とは異なるが、”口説かれたら落ちそう”という感じ。
強烈な男っぽさだものねえ!役柄も大胆不敵!

ランカスターにオスカー(主演男優賞)をもたらした本作を久々に観かえした。
初めて観たときは、作品としてピンとこなかったのだが、
今回は、役者のための映画だなあとつくづく感じた。

エルマー・ガントリー.jpg エルマー・ガントリー (2).jpg エルマー・ガントリー (3).jpg

プレイボーイで口八丁手八丁のセールスマン、エルマー・ガントリーが、
美しい伝道師シャロンに惹かれ、信仰宗教団体に入会、彼女の片腕となる。
いつしか団体はエルマーなしでは立ち行かなくなっていく。

シャロンに扮するジーン・シモンズの清楚な美しさ、
オスカー(助演女優賞)を受けたシャーリー・ジョーンズのしどけない魅力。
そして、身勝手このうえないが、自分に正直に、
その場その場を生き抜くエルマーの生きざま。
決して見習うべきキャラクターではないにしろ、
何があっても挫けない人間像からは、力を貰える気がする。

nice!(0)  コメント(0)