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立葵そらまで咲いて雨あがる 魅歌 [日記・雑感]

近所の小径を歩いていると、立葵が目を惹く。
背の高い派手な花、いつ頃から都心でこの花を観るようになったかな。
昔は地方公演の空き時間に散歩などしていると、川のほとりに生い茂っていたものだ。

下からどんどん花ひらいて、てっぺんまで咲くと梅雨が明けるってほんとうかしら。

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ここのところ、毎日一万歩は歩けていない。
数ヶ月まえまでは、仕事以外は一万歩を最優先していたのだが、
現在は仕事の次は「医療機関に迷惑をかけないこと」であるから、
すこし疲れたなと思ったらウォーキングにはいかないことにしている。
マスク着用は美加にとり、歌い手になってから長年の日常だった。
そう、毎年10月~3月の期間はね!
桜が散ってからもマスク着用しつづけたことは嘗てない。
寒がりゆえ夏には強い筈だが、夏のマスク、結構きつい。
そんな初体験にもメゲ気味であり、天候によっては
我が家内で階段の昇り降りも含め4000~5000歩くらい歩くに留める。

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番組”美加のNice'N'Easyタイム”リモート収録が水曜日にあるため、
紹介予定の新作『マーティン・エデン』を鑑賞。
アメリカ文学の夭折の作家ジャック・ロンドンの原作を、
イタリアのピエトロ・マルチェッロが映画化した作品。
J・ロンドンの映画化作品では、30年近くまえに『ホワイト・ファング』を観たきりかな。
収録は晩夏から初秋オンエア分ゆえ、
ここでの感想は公開が近づいたらまた、改めて書こう。


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”大橋美加のシネマフル・デイズ”㊻『赤い矢』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1957年 アメリカ映画 サミュエル・フラー監督『赤い矢』
(Run of the Arrow)

”ア”から始まる手持ちのサミュエル・フラー作品を見つけたので、紹介しておきたいと思う。
我が国では”B級映画監督”としてカルト的地位を保持しているが、
ゴダールはじめ欧州では別格の価値を与えられている映画作家。

1865年4月9日、南北戦争に於ける最後の弾丸を北軍将校に打ち込んだ、
南軍狙撃兵主人公オミーラが登場する。
演じるのは、アクの強い演技派ロッド・スタイガー。
ヤンキー(北軍)と共存したくないこの主人公は、
「西部へ行き、先住民と共存してゆくほうが良い」と
母や仲間に豪語し、スー族と通じることとなる。

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圧倒的な景観。フラーは低予算で撮影期間の短いことが知られるが、見せること、魅せること。
”走り矢の刑”と名付けられた、究極の拷問が繰り広げられる!
表向きは”白人”の立場を返上し、スー族の身内になったかと思えるオミーラだが、
果たして白人は先住民になりきれるのか。

途中、”ブルー・バッファロー”と名乗る、
目を見張るほどの肉体美の先住民の顔を見てはっとする。
あ!チャールズ・ブロンソン!
うわあ、そうだった、想い出した!
この時世でなければ、本作を観なおしていないよねえ!
ラストは観客に委ねるというフラーの言葉、さあ、どう観る?

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ささやいて囁いて白サルスベリ 魅歌 [日記・雑感]

久々に高円寺方面にウォーキング。
我が家から中野駅南口まで徒歩4~5分、高円寺駅までは7~8分ほど。
中野駅北口『ブロードウェイ・センター』地下の商店街は
野菜・肉・魚すべてにおいて、品(回転)が良く”REASONABLE”であり、
欠かすことなく活用してきたが、
地階で天井も低いスペースのうえ混雑が常であり、
時世柄2ヶ月以上、出入りをやめていた。
お得品の多い『西友』も
中野店は『ブロードウェイ・センター』の地下にある。
安価で品の良い地元でなく、車で大きなスーパーまで言っていたのだから、
ストレスが溜まるに決まっている!

高円寺の『西友』は地上であり、
中野店ほど”密”感覚がないため、思いきって行ってみる。
美加は手持ちの映画を一作鑑賞、
我がパートナーは来週に控えた番組”美加のNice'N'Easyタイム”
リモート収録のための資料と音源送付を終え、午後3時ごろに出かける。

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我々が”百日紅通り”と呼んでいる通りに、
今夏はじめて観る白サルスベリを撮影。
まだ一輪だけ!
”百日紅”は文字通り、やさしい紅色の花が長く楽しめるが、
薄紫、赤、淡いピンク色、そして白もある。
俳句に詠むときは、字面が難しいのだ。”白百日紅”では混乱を招くものねえ!

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細かいフリルのように繊細な形状が際立つ白サルスベリ。
夏の終わりまで、そう、百日間、
この通りにたくさんの色とりどりのサルスベリが咲いてくれるかなあ・・・
帰り道に赤も鮮やかなテッセンの一種と想われる花の美しさに見惚れ、こちらも撮影。

一日一日、愛する家族の健康と安全を願いつつ、
すこしでもこころ潤う日々でありたい。



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”大橋美加のシネマフル・デイズ”㊺『雨』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1932年 アメリカ映画 ルイス・マイルストン監督『雨』
(RAIN)

”St. Louis Blues"が使われたもっとも古い映画は?
この目で観た作品では、本作『雨』と答えるしかない。
”ア”から始まる手持ちの名作、そろそろ”イ”に移ろうかと思いながら、
またもや本作を取り出してしまった!
雨が降り続く、パゴパゴ島。コレラ患者発生による足止めで、
島にひとつきりの宿に滞在せざるを得ない人々。
お堅い宣教師夫妻、すこし融通の利くドクター夫妻のグループが宿に着くやいなや、
”St.Louis Blues"が鳴り響く!
ブレスレットをジャラジャラ付けた両腕、網タイツにパンプス、
そして、厚化粧のヒロイン・サディ(セイディ)のクロース・アップ!
アクの強い大きな瞳をぎらぎらさせた、ジョーン・クロフォードの登場である!

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動きの取れない状況設定、相反する女と男、
これでもかと降り続く雨、雨、雨・・・
善と悪とは、どちらが勝つのか。そもそも善悪とは誰が決めるのか。
悪女と呼ばれるサディは加害者か被害者か・・・

生前にお世話になった淀川長治先生いわく
「ジョーンはサディ役を演じるようなタイプではなかったのね、
   もっとモダンなチャールストンを踊るような役が合っていたのね、
   それが大勝負に出て、その後はジョーンの似顔絵を描く人は、
   サディのいで立ちで描くことになったのね」とのこと。
何十年ぶりに観たが、いやはや参りましたの大熱演!

本作のなかであたかも悦楽の象徴のように何度も流れる”St. Louis Blues"は効果絶大。

そういえば、ジョーンが中年になり酒場のマダムを演じた
『大砂塵』(’54)のテーマソングは、ペギー・リーの大ヒット”Johnny Guitar"
こちらも久々に観なおしたくなった。

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”大橋美加のシネマフル・デイズ”㊹『悪童日記』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

2013年 ドイツ・ハンガリー合作映画 ヤーノシュ・サース監督『悪童日記』
(LE GRAND CAHIER)

ハンガリー出身の作家、アゴタ・クリストフの映画化不可能と言われていたロング・セラー小説を、
ヤーノシュ・サース監督がついに映画化した一作。

舞台となるのは第二次世界大戦下、
主人公である双子の少年が、母親に連れられて、ブダペストから
田舎町の農場へやってくる。
待ち受けるのは、初めて会う祖母。
村人から”魔女”と呼ばれる大きく太ったこの祖母は、
孫たちを”メス犬の子”と呼び、こき使う。
双子は毎日毎日、日記を綴ってゆく。
目で見るもの、耳で聞くものを只々、記してゆく。


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普遍的な寓話でありながら、繊細で幻想的なアート感覚にもあふれ、
多くを語らず見せつけてゆく見事な手法。
何より驚異的なのは、双子に扮する、実際に貧しい村の出身という
アンドラーシュとラースロー・ジェーマント兄弟。
美しさと野性を湛えた面差し、敏捷な小動物のような瞳、
監督自身、彼らを見つけられたことを”MIRACLE”と呼ぶ。

戦場を直接みせることなく、戦争を物語ることができるかと、訴えるサース監督。
天使が魔物に変貌してゆくのが戦争であっても、
希望は見つけ出さねばならない。希望は犠牲の果てに存在するのか。
生き抜くということの尊さと酷さが交錯する、
傑作の名で遺されてゆくべき作品である。  

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