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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.188『グレン・ミラー物語』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1954年 アメリカ映画 アンソニー・マン監督 『グレン・ミラー物語』
(The Glenn Miller Story)
 
ジューン・アリスンという女優を知ったのは、
幼い頃にテレビ放映で観たマーヴィン・ルロイ版『若草物語』(’49)。
オルコット原作である”Little Wemen”の二度目の映画化であり、
主人公である次女ジョーに扮したのが、アリスンだった。
ちょっとした老け顔であり、”かわいい””美人”というイメージではないが、
その存在感と渋いハスキー・ヴォイスは、とにかく印象的だった。
思えば、長女メグ役のジャネット・リーより10歳年上だったのね!
 
アリスンが妻役を演じたことは、『グレン・ミラー物語』に於いて不可欠だろう。
当時のハリウッドにあふれていたであろうゴージャス・ビューティでは、
務まらなかった役に違いないから。
 
グレンミラー物語 (3).jpg グレンミラー物語 (2).jpg
 
トロンボーン奏者だけに飽き足りず、
自分の編曲を自分のオーケストラで演奏することを望むグレンを、
ひたすら支えた”糟糠の妻”ヘレン。
グレンに扮したジェームズ・スチュワートを、満面の笑みで食い倒したアリスン、天晴れ。
 
”ムーンライト・セレナーデ”や”真珠の首飾り”のエピソードなどなど、
ヘレンをフィーチュアしすぎの感は否めないが、それもまたアリスンの笑顔で吹き飛ぶ。
残念なのは、ミュージカルでならした彼女の渋い歌声が聴けないことかな。
 
初めて観たときから気になっていたことがある。
グレンは大学時代に知り合ったヘレンを、後にかなり身勝手に口説き落とすが、
彼女は自分に起きる”ある現象”を信じて彼に人生を賭け、
このエピソードはラスト・シーンまで活かされる。
”Woman’s Intuition"というジャズソングがあるが、う~ん、わかる気もするなあ・・・

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