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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.189『黒い罠』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1958年 アメリカ映画 オーソン・ウェルズ監督 『黒い罠』
(Touch of Evil)

ファースト・ショットの長回しは、何度観てもカッコイイ!
舞台・状況・人物設定を3分余で観客に知らしめてもいる!さすが、ウェルズ!

メキシコ人の麻薬捜査官にチャールトン・ヘストン。白人の美人妻にジャネット・リー。

ハネムーンで訪れた国境の町で、事件に巻き込まれる主人公カップルの運命や如何に・・・
この邦題、うまく付けているよねえ!

黒い罠.jpg 黒い罠 (2).jpg

オーソン・ウェルズは監督・脚本・出演をこなす。
巨体に脂ぎった顔をさらし、悲惨な過去をもつ刑事をスクリーンをぶち破るが如き迫力で演じる。
厭味と観るか、熱演と観るかで、評価は分かれるはず。

光と影の演出、人種間に於ける確執を見せつけ、アクの強いヘストンの影が薄いのが笑える。
ジャネット・リーのスケープ・ゴートとなるべきしどけなさ、
マレーネ・ディートリッヒの妖しい婀娜っぽさ、女優陣が蠱惑的。

盗聴シーンからラストまでのクライマックスは圧巻!
多くの映画作家に影響を与えた、影の名作であることに間違いはない。

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