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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.190『クイズ・ショウ』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1994年 アメリカ映画 ロバート・レッドフォード監督 『クイズ・ショウ』
(QUIZ SHOW)

テレビのクイズ番組に一回だけ、出演したことがある。
山城新伍氏が司会の『山城桃源郷』という番組だったかな?
その中の”映画クイズ”のコーナーである。
回答者は浜村淳氏、景山民夫氏、秋本鉄次氏、芦屋小雁氏、
美加は紅一点、おまけに第二子妊娠七ヶ月に入る頃であった!

前半は答えまくり、「今回は映画クイーン誕生か?」なんて山城さんに言われたが、
後半に浜村さんが逆転、第二位となった。
当時お腹にいた倅が、
映画マニアに育ったことは言うまでもない。
余談からで失礼!

クイズショウ.jpg クイズショウ (3).jpg

二枚目スターであるロバート・レッドフォードが
初監督作品『普通の人々』(’80)でオスカー(監督賞)に輝き、
一躍映画作家としても注目されたときのことは、
驚きとともに容易く想起できる。

本作『クイズ・ショウ』はレッドフォード監督第四作目であり、
プロデューサーも兼ねている。
1950年代のアメリカの社会現象であったテレビのクイズ番組には、
彼自身の体験や想い入れが沁み込んでいるのだ。
国民の誰もがテレビに向かい、
勝敗に一喜一憂していた様子が、
ストレートに伝わってくる滑り出し。

クイズショウ (2).jpg

曲者俳優ジョン・タトゥーロ、
貴公子然としたレイフ・ファインズの配役は
決定的効果を生み過ぎる!
公開時に試写室で観て以来久々に観なおし、
老父に扮するポール・スコフィールドが息子に言うひとことが刺さる。
”Your name is mine!"
うわあ、きつい!
それでも見捨てないのが親、なのである。


”Mack the Knife”という歌がある。
サッチモやエラが軽快にスウィングして歌ったため
明るいイメージをもつ人も多いが、
たっぷりの毒を含んだ歌詞を持つ。
『クイズ・ショウ』はボビー・ダーリンの”Mack the Knife”で幕を開け、
ライル・ラヴェットのヴァージョンで幕を閉じる。
闇に潜んだナイフに、人生を切り裂かれませんように・・・

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