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"大橋美加のシネマフル・デイズ”No.191『群衆の中の一つの顔』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1957年 アメリカ映画 エリア・カザン監督 『群衆の中の一つの顔』
(A Face In The Crowd)
 
下卑て脂ぎった顔、目を爛々とさせ、
野太い声で歌う男”Lonesome Rose”
留置場に入っていた放浪者が
国民的スターになってゆくさまを、
映画初出演にして、
全身全霊で演じきったアンディ・グリフィス。
 
エリア・カザン作品は”エ”の項の『エデンの東』(’55)、
”カ”の項では『革命児サパタ』(’52)を紹介したので、
本作が三作目か。
人間の本性をあぶり出す
数々のドラマを産み出したカザン監督だが、
アンディ・グリフィスを起用した本作ほど
観客が没入しやすい作品は他にない。
 
群衆の中の一つの顔 (3).jpg 群衆の中の一つの顔.jpg
 
”Lonesome Rose”を見い出す
ラジオ局社長の姪マーシャに扮するのは、
老け顔にしゃがれ声の演技派パトリシア・ニール。
婚期を逸した知的なお嬢様が、
むき出しの”男”であるローズに傾いていくのは当然の成り行きだが、
さて、最後に笑う者は・・・?
 
群衆の中の一つの顔 (2).jpg
 
マーシャに惹かれるインテリにウォルター・マッソー、
10代のリー・レミックのバトン・ガール姿は映画ファン必見!
”Lonesome Rose”と相乗りする
126分のローラー・コースターへ、ようこそ!

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