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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.180『飢餓海峡』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1965年 日本映画 内田吐夢監督 『飢餓海峡』

小柄な娼婦が大男を部屋に引き込む。
膝枕で爪を切ってやる。
二人の共通点は”貧しさ”だけ。
娼婦は男の爪を、肌身はなさず持ち続ける・・・

物語の始まりは昭和22年、
青函連絡船の事故と、強盗事件、放火事件が絡まってゆく。
映し出されるのは、暗い海に、うねる波。
大男に扮する三國連太郎、小柄な娼婦に左幸子。
まさに丁々発止の大熱演と思いきや・・・

飢餓海峡2.jpg 飢餓海峡3.jpg

これでもかと”動”の演技を見せつける左幸子に対し、
見た目の押し出しとは裏腹に、案外演技を押し付けない三國。
久々に観なおしたが、いやあ、三國の勝ちかな。

キイとなる”読経”が得意な刑事に扮した伴淳三郎、
水もしたたる美男ぶりの若き高倉健など、
脇も固められている。

飢餓海峡.jpg

古い日本映画に強い我がパートナーいわく、「藤田進さんが渋いよね」とのこと。
そうか、確かに・・・黒澤組でもある名脇役。
休肝日にまんじりともせず、二人そろって観なおした183分。
思えば、”シネマニア”同士でなかったら、パートナーシップ33年目に突入していなかったか?
鑑賞後にああでもない、こうでもないと、映画について話せることは、ありがたきこと!

今回で”キ”から始まる手持ちのDVD紹介は終わりとし、次回からは”ク”から始まる作品を観なおしていきたい。
予想外に62作あり、選ぶのが楽しみ!乞うご期待!

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