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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.128『王子と踊子』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1957年 アメリカ・イギリス合作映画 ローレンス・オリヴィエ監督『王子と踊子』
(The Prince and the Showgirl)
 
マリリン・モンローはマシュマロ。ベイビー・ピンクの、
やわらかくて、指で触れるとはずむマシュマロ。
彼女の悲劇的な部分を知ってもなお、あらゆる人の心を癒す、かの笑顔は永遠!
 
我が恩人の一人である評論家・川本三郎氏の著作『ハリウッドの黄金時代』によれば、
1930年代に映画界でも活躍した”セックス・コメディの女王”であり、
小説や脚本も手がけた女優メイ・ウエストは、
当時の女優たちを悉くこきおろすなか、
マリリンのことだけは「ユーモアがある」と褒めたそう。わかる気がする。
 
王子と踊り子.jpg 王子と踊り子 (2).jpg
 
『王子と踊子』でのマリリンは、”ア”の項で紹介した
『荒馬と女』(’61)”オ”の項の『お熱いのがお好き』(’59)ほどではないが
かなり肉付きが増し、ハガビリティ絶大。
架空の国の大公であるオリヴィエに見初められ、
うろたえながらも魅力全開!
 
オリジナルはオリヴィエと
当時の妻ヴィヴィアン・リーが共演した舞台劇であるから、
当然のことながら台詞が多い。
無邪気なお色気をふりまきながら、
オリヴィエを相手に丁々発止のマリリンは,
コメディエンヌとしても一流と証明している。
映画作品としては、言いたいことは多々あるが、
マリリンを観ているとやさしく穏やかな気持ちになれるから、
いいじゃないか!
 

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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.127『王様と私』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1956年 アメリカ映画 ウォルター・ラング監督『王様と私』
(The King and I)
 
マーガレット・ランドンが1944年に発表した小説をベースにした映画は三作観た。
アイリーン・ダン、レックス・ハリソン主演『アンナとシャム王』(’46)はVHSで持っている。
ジョディ・フォスター、チョウ・ユンファ主演『アンナと王様』(’99)は、
リアル・タイムで試写室で観た。
そして本作、デボラ・カー、ユル・ブリンナー主演のミュージカル版『王様と私』(’56)を、
今回久々に観なおし、
よくぞ、ミュージカルにしてくれた!と、改めて感じた。
 
王様と私 (3).jpg 王様と私.jpg
 
1860年代、ひとり息子を抱える未亡人の英国女性アンナが
シャム王に招かれ、宮廷の家庭教師となる。
デボラ・カーは知的で上品な美人役がぴったりの女優であったが、
ストイックな風情に逆に色気を醸し出す個性あり。
エキゾティックな美男であるユル・ブリンナーにはピュアな少年ぽさがあり、
二人が並ぶと、類型のない”画”になるのだ。
英国大使を招いての晩餐会でのアンナの衣裳とビーズのシニヨン、
何度観ても胸がときめく!
 
王様と私 (2).jpg
 
歌曲はロジャース&ハマースタイン。ダンス・シーンに流れる”Shall We Dance”ほか、
 ”Getting to Know You” ”Hello Young Lovers”などなど、佳曲が目白押し。
デボラ・カーの歌は、ナタリー・ウッドやオードリー・ヘプバーンの吹き替えも手がけた
マーニ・ニクソンだが、
陰の立役者であったマーニの名前に光を与えた
デボラ・カーのエピソードをドキュメンタリー作品
『ハリウッドを救った歌声~史上最強のゴーストシンガーと呼ばれた女』を観て知り、
 顔だけでなく心も美しいひとだったんだなあと感動したことを想い出す。
 
これは恋だったんだ。こんな恋もいいなあと思う。

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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.126『おしゃれ泥棒』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1966年 アメリカ映画 ウイリアム・ワイラー監督『おしゃれ泥棒』
(How To Steal A Million)

今もって若い女性たちの”ファッション・アイコン”であるオードリー・ヘプバーン。


彼女の出演した作品はすべて観ているはずだが、
さて、最もオードリーに合っていた役とは?

可愛らしさという意味では若いときに限る。
”ウ”の項で紹介した『麗しのサブリナ』や、
出世作『ローマの休日』『昼下がりの情事』あたり。
人間ドラマとしては”イ”の項の『いつも2人で』”ウ”の項の『噂の二人』なども見応えあり。

おしゃれ泥棒.jpeg おしゃれ泥棒 (2).jpeg

本作『おしゃれ泥棒』でのオードリーは
30代後半にさしかかり面差しは皺も目立つが、とにかくフォトジェニック!
ジヴァンシーの白のスーツに帽子、白縁のサングラスで、
赤いオープンカーを繰り、登場するシーンなど、
グラマー・ビューティのマリリン・モンローや
エリザベス・テイラーではピッタリこないはず。

贋作家である父親の仕業がいつばれるかとビクビクしている
お洒落な一人娘ニコルに近づくのは、
ブロンド、ブルー・アイズ、長身の”LAWRENCE”ピーター・オトゥール。
イーライ・ウォラックやシャルル・ボワイエも脇を固める。

ゴッホやピカソ、セザンヌ、
何でも描いちゃうパパという、
アート絡みのストーリーも楽しめる。
『オーソン・ウエルズのフェイク』(’73 )なんて、想い出すなあ!
年増になっても娘っぽい可愛さを自然体で出せたオードリー。
ニコル役、もしかしたら最適役かも?


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楽園にヴォランティア在り聖五月 魅歌 [日記・雑感]

我がパートナーの運転で、
念願の”ROSE GARDEN”にやってきました!
昨年は閉まっていたため、2年ぶりであります。
此処に来ると、すべての憂さを忘れられるのです。
 
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早起きして午前10時過ぎに到着、月曜日ゆえ人影は疎ら。
今年は閉園しない代わりに、地面に順路が示されているのです。
夥しい花数・種類の薔薇たち!まさに楽園!
すこし汗ばむような気候のなか、ヴォランティアの若い男性が手入れをしています。
「お疲れ様、ありがとうございます!」と思わず声をかけてしまいました。
この時世に、こんな幸せな気持ちにさせて貰っているのですからね!
恥ずかしがり屋ふうのおにいさんに、当然のことのように会釈のみ返されましたよ!
 
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午前中の空いた中華街でテイクアウトの点心を買って戻り、
海に面したベンチで、缶ビール1缶だけシュワッ!
車の運転がある我がパートナーはカロリー・ゼロのコーラ。
ゴメンね~!ああ、海の匂いがする!
 
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久々に中華食材も購入。
ピータン、白きくらげ、干し海老などなど。
何を作ろうかな?
 
横浜は長年出演していたライヴハウスもあり、
想い出深い街。やはり他にはない魅力にあふれた街。
咲き競う薔薇の精気と色彩を全身に浴びて、
また暫くは心すこやかに過ごせそうな気がします!

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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.125『オズの魔法使』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1939年 アメリカ映画 ヴィクター・フレミング監督『オズの魔法使』
(The Wizard of Oz)

第二次世界大戦が始まった1939年、
ハリウッドでは歴史に刻まれる二作品が誕生した。

『風と共に去りぬ』そして本作『オズの魔法使』、監督はともにヴィクター・フレミング。
どちらも、何回となく観てきたが、後者は’80年代に新宿の名画座でも観た。
MGMミュージカル特集と銘打ち、12作品だったっけ・・・

今回久々に観なおし、
冒頭のモノクローム部分が意外と長いことに気づいた。
ドロシーの冒険パートであるカラー部分があまりにカラフルであるため、
導入部の印象が薄らいでしまうのだ。

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いやはや、資金のつぎ込みかたが半端じゃない。
改めて観ると舌を巻く。
メイク、衣裳、プロダクション・デザイン、
全て妥協せず、お伽の国を作りあげる熱意がみなぎり、
やはり、遺しておくべき”MASTERPIECE”だったんだなあと、
感慨が湧き起こる。
16歳でドロシーを演じ、
将来を約束されたジュディ・ガーランド、47年の生涯で、
本作を越える役と出会えただろうか?

ルビーの靴が欲しかった。
踵を三回鳴らして
”There is no place like home”と唱えるドロシーに、
また涙してしまった。
ステージで『虹の彼方に』を歌うたびに、
心ではこの台詞を唱え続けるだろうなあ・・・

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