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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.132『ガス燈』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1944年 アメリカ映画 ジョージ・キューカー監督『ガス燈』
(GASLIGHT)
 
イングリッド・バーグマンは笑顔より涙の似合う女優だ。
彫りの深い面差しの奥の瞳が見開かれると、美しさが増す。
悲劇的な役柄に定評があったが、最も哀れを誘うヒロインと言えば、
初めてオスカー(主演女優賞)に輝いた本作のポーラ役だろうか。
 
物語の舞台は1875年、ロンドン。
高名で美貌の歌手であった叔母が殺害された屋敷で
新婚生活をスタートさせるポーラ。
夫となるのはシャルル・ボワイエ扮する、
かなり年上の作曲家グレゴリーである。
 
ガス燈.jpg ガス燈 (2).jpg
 
カメオのブローチ、レースのバッグ、懐中時計、そして、
繊細な模様が施されたガス燈。
戯曲の映画化に不可欠な小道具のクロース・アップを多用し、
ヒロインの幸福が揺らいでいく演出を施すキューカー監督。
追い詰められていくヒロインを、大柄な体格全身で表現するバーグマン!
まさに、女優冥利に尽きる役どころ!
 
今回、久々に観なおし、若いメイド役で個性を発揮している
アンジェラ・ランズベリー発見。当時17歳!
”オ”の項で紹介した『狼の血族』(’84)の祖母役ほか、
リアルタイムで観た映画も多く、”おばあちゃん女優”のイメージ多大だが、
若いころからアクが強く、貫禄十分だったんだなあ!

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