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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.55『イージー・ライダー』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1969年 アメリカ映画 デニス・ホッパー監督『イージー・ライダー』
(EASY RIDER)

バイクはきらい。ロックも好きじゃない。
それなのに、”Born to be Wild"のイントロが響き、ピーター・フォンダとデニス・ホッパーが
チョッパー・バイクで走り出すと・・・ああ、また踊ってしまった!
映画はこれだからイイ。普段のすききらいがめちゃめちゃになる。

遠い昔、評論家の川本三郎氏よりご推薦をいただき、
ある月刊誌に於ける”アメリカン・ニューシネマ対談”のお相手を仰せつかったことがある。
説明的な台詞を除外するところが、その大きな魅力。
想像力を研ぎ澄ませて観なければならない。アタマでなく、感性を使う。

イージー・ライダー.jpeg イージ・ライダー②.gif

端からドラッグ売買シーン、ヒッピーのコミュニティ、
娼館の様子にまで、時代の”ルック”満載。
途上で加わるジャック・ニコルソン扮する弁護士も、
とんだエセ堅気。三人とも”STONE”状態で映画も旅も進む。

娼婦に扮するカレン・ブラックはB級映画のミューズ的な仇っぽい女優。
小柄なホッパーが大柄なカレンを選ぶくだりもイイ。
未来の予見の如く閃く短いショットが印象的。
”STONE”による未来予知か、観客へのひとしずくの示唆のつもりか。
刹那的な生きざまを見せつけ、釈明のないところが潔い。
やはり、本作はアメリカン・ニューシネマの原点だろうなあ・・・



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