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"大橋美加のシネマフル・デイズ”No.200『グッドモーニング・バビロン!』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1987年 伊・仏・米 合作映画 パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督
『グッドモーニング・バビロン!』
(Good Morning Babilonia)
 
「子どもたちは父親の顔を知らない」
この台詞が最も心に直撃するのは、
日々ウクライナの報道に触れているからだろうか。
 
幼い我が子を残して父親が戦場に行くなど、
あってはならないこととわかっているはず。
それなのに、戦争はなくならない。
 
風と土の匂いを運びながら、
流麗なカメラワークで魅せるタヴィアーニ兄弟の作品は、
”カ”の項で『カオス・シチリア物語』(84’)を紹介、
本作は二作目となる。
 
物語の始まりは1913年、
イタリア・トスカーナでロマネスク大伽藍の建築と
修復を手がけてきた棟梁ボナンノの
二人の末息子二コラとアンドレアは、
父から廃業宣告され、アメリカへ渡る。
折しも超大作『イントレランス』(’16)を構想中であった
D.W.グリフィスのもとで、かの”象”を創ることに!
故郷で創造したイメージによって人生の活路を見い出してゆく兄弟。
 
グッドモーニング・バビロン (3).jpg グッドモーニング・バビロン (2).jpg グッドモーニング・バビロン.jpg
 
兄弟の父親に扮するのは、
タヴィアーニ作品になくてはならない名優オメロ・アントヌッティ。
グリフィスにブラフをかけるシーンは最高!
映画という総合芸術に携わる人々のなかに、確かにあったであろう連帯感と絆。
黎明期をあらたに描くことにより呼び覚まされる、その尊さは永遠。
 
戦地でカメラを回し、
生まれて間もない我が子に向けて
互いの面影を遺そうとする兄弟。
うわあ、また泣いてしまった!
 
2020年春より、
手持ちのDVDから”アイウエオ”順に
始めた投稿も漸く200作となった。
次回からは”ケ”で始まる映画を紹介する。
”ク”は予想外に多かったが、
”ケ”は20作を切るため、さあ、どれを選ぼうかなあ・・・
 
 

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