SSブログ

"大橋美加のシネマフル・デイズ”No.197『グラン・ブルー』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1988年 フランス・イタリア合作映画 リュック・ベッソン監督『グラン・ブルー』
(Le Grand Bleu)
 
初めての日本公開時は『グレイト・ブルー』という英語タイトルだったっけ。
飯田橋の佳作座で観たはず。
なぜか『ダイ・ハード』(’88)と二本立てであり、
期待していなかった後者が図らずも派手で盛り上がり、
本作はせつなさと”青一色”だけが眼のなかに残った。
 
実在したフランスのフリー・ダイヴァー、
ジャック・マイヨールをモデルに
独自の青春ドラマを創りあげたリュック・ベッソン。
ジャックに扮した無垢な瞳が魅力のジャン=マルク・バール。
ジャックのライヴァルである実在のエンゾ・マイオルカを
豪快に演じたジャン・レノは、
『レオン』(’94)でのブレイクを待つまでもなく、
ちょっとしたブームとなった。
 
グラン・ブルー (3).jpeg グラン・ブルー (2).jpeg グラン・ブルー.jpeg
 
今回久々に観なおして、ファースト・ロールがロザンナ・アークエットであったと気づく。
彼女が演じたアメリカ人のジョアンナは架空の人物。
惚れたオトコを靡かせたいがために、
あまり具が入っていないようなパスタをがつがつ食べるシーンが可笑しい。
 
イルカはだいすきな生物だけれど、ちょうどこの時代であったか、
翻訳家の細川直子氏と試写室でお話した際に、
「イルカを観たいなら、生息している場所へ人間が赴くべき」と諭され納得。
 
近年になりジャック・マイヨールのドキュメンタリー作品に触れ、
本作とはイメージが大きく異なる人物に見えたが、
精神を病み自ら命を絶ったことを知り、ショックを受けた。
 
ジャックもエンゾもイルカたちも、映画の中では永遠に変わらない。
 

nice!(0)  コメント(0)