SSブログ

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.194『グッバイ、レーニン!』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

2003年 ドイツ映画 ヴォルフガング・ベッカー監督 『グッバイ、レーニン!』
(Goodye Lenin!)
 
母親として、我が子らに何を残せるのかと、よく考える。
果たして自分が残したいと想っているものを、彼らは求めているのだろうか。
子らの心に自分がどのようなイメージで残ってゆくのか、知ることは出来ない。
 
ベルリンの壁崩壊前後を舞台に、
一家族の物語をユーモアたっぷりに綴ってくれた本作。
 
今では国際的な中堅スターとなったダニエル・ブリュールが、
母に献身する若者アレックスに扮してブレイク。
細かな魅力が散りばめられた作品ゆえ、ディーテイルを見逃さぬように・・・
 
グッバイ,レーニン! (3).jpeg グッバイ,レーニン!.jpeg
 
心臓発作で昏睡状態となり、やっと意識が戻るアレックスの母。
そのきっかけも顔が綻ぶ。そう、"Mother's Intuition"よね!
 
東ドイツは消え、祖国は華やかに変化しているが、
祖国功労勲章まで受けた母に知らせるわけにはいかない。
再度の発作は命取りと医師からのお達し、
かくして奔走するアレックス。
童顔のハンサム・ボーイ、
何故ここまで工作するのか、
理由は映画をご覧あれ。
 
グッバイ,レーニン! (2).jpeg
 
縁あって家族を築き、訳あって別れ別れになる。
未練・悔恨・そして、惜別の情がせつない。
アレックスのしたことは何だったのか。
母を自分の心に揺るぎなく留めるための、
大いなる茶番だったのだろうか・・・
 
ちなみに本作で看護師に扮し、
やさしく愛らしい印象を残した
ロシア出身のチュルパン・ハマートヴァが
亡命したと報道された。
平和を追い求めながら、
女優活動も続けられることを願う。

nice!(0)  コメント(0)