SSブログ

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.195『黒いチューリップ』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1964年 仏・伊・スペイン合作映画
クリスチャン・ジャック監督 『黒いチューリップ』
(La Tulipe Noire)

この季節、軒先にチューリップが満開であり、
臙脂(えんじ)色はたまに見かけるが、
漆黒となるとお目にかかれない。

アレクサンドル・デュマの原作から
”黒いチューリップ”のイメージをふくらませ、
世紀の美男子をダブルで設えて、
捻りの利いたヒーローものとして映画化。
主演はアラン・ドロン!それも二役!
この時代のドロンは観ているだけで、得した気分。
28~29歳でありながら、
若さと成熟した美貌を兼ね備えている。
”キ”の項では『危険がいっぱい』(’64)を
紹介したので参照してくださいね。

黒いチューリップ (2).jpeg
黒いチューリップ.jpeg

原作はチューリップ栽培に関わるが、
大胆にアダプテイションされた映画に登場するのは
咲いている姿でなく、「ヒーロー参上!」の
置き土産的な黒いチューリップのみ。

感心するのは合成シーン、本当に自然にふたり存在するドロン!
58年前の映画だからたいしたもの。
セクシーな兄と純情な弟を巧みに演じ分けるドロンも流石。
冒険活劇にしては含みのあるラストもあとを引く。

そういえば、ドロンはオムニバス映画『世にも怪奇な物語』(’67)の
ルイ・マル編でも二役を演じていたっけ。
フェリーニ編が超コワいのよね。
こちらも観なおしてみようかな。

nice!(0)  コメント(0)