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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.196『暗くなるまでこの恋を』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1969年 フランス映画 フランソワ・トリュフォー監督 
(La Sirene du Mississipi)

カトリーヌ・ドヌーヴとジャン・ポール・ベルモンドが
倒錯の”腐れ縁”を演じる。
画面を埋め尽くす新聞の交際欄。飛び交う売り込み文句の数々。
原点をポップに示す滑り出しである。

そして現われる、舞台となるレユニオン島の風景。
ベルモンド扮するタバコ工場経営者は、港で或る女性を待ち受ける。
最後の船客が降り立ち、落胆して車に戻る彼の目線の先に居たのは、
輝くブロンドを夏帽子で隠し、印象派の絵のようなワンピースを纏った美女!
さて、二人の関係は如何に・・・?

暗くなるまでこの恋を.jpeg 暗くなるまでこの恋を.jpg 暗くなるなるまでこの恋を.jpeg

「他人の恋愛を見ても面白くも何ともない」と決めている美加が、
唯一許容する”愛のシネアスト”フランソワ・トリュフォー。
公開当時の日本でも人気であったスター、ドヌーヴとベルモンドに、
どんな恋愛を演じさせるのか、ちょっとやそっとのストーリーでは満ち足りないが、
ドヌーヴは病的な役、ベルモンドは自虐的な役が良く似合う。

ドヌーヴはトリュフォーの晩年の作品『終電車』でも妖艶なヒロインを演じたが、
ベルモンドのトリュフォー作品は本作のみ。さあ、倒錯の愛へ雪崩れ込もう!  

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