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大橋美加のシネマフル・デイズ”No.139『悲しみよこんにちは』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1958年 アメリカ・イギリス合作映画 オットー・プレミンジャー監督
『悲しみよこんにちは』
(Bonjour Tristesse)
 
青い花びらが涙になりこぼれ落ちる、
ソール・バスのタイトルが忘れられない。
セシール・カットのジーン・セバーグの悲痛な泣き顔とともに・・・
 
フランソワーズ・サガンの原作は高校生のときに読んだっけ。
親の世代である彼女が、とても身近に感じられた。
サガンの友人であったというジュリエット・グレコがテーマソングを歌い、
空虚な顔のセシールの現在が映し出される。
モノクロームの世界、そう、パートカラーというべきか、その逆というべきか。
 
悲しみよこんにちは.jpg 悲しみよこんにちは (2).jpg
 
スノッブな暮らしを送る、父と娘。
デイヴィッド・ニーヴン扮するやもめの父はプレイボーイ。
父親の若い愛人とも仲良く共存するセシール、屈折していないはずがない。
 
今回、観なおし、ファースト・ロールはデボラ・カーだったんだなあと再認識。
当時、大スターであるし、堂々たる美貌。
でもでもやはり、本作の主人公はセシールに扮した18歳のジーン・セバーグだろう。
若さの酷さを一身に引きうけ、紺碧の海を背に、今でも輝き続けている!
 
ジーンはこの後、ゴダールの『勝手にしやがれ』(’59)に於いて、
映画ファンにとって永遠の存在になり、40歳での死に向かっていった。
サガンのセシールを具現化した本作、決してけっして、忘れるものか。

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