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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.137『革命児サパタ』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1952年 アメリカ映画 エリア・カザン監督『革命児サパタ』
(Viva Zapata!)
 
我々の世代でマーロン・ブランドと言えば、
『ゴッド・ファーザー』(’72)のドン・コルレオーネ役である。
子ども時代にテレビ放映で観て、
なんて変なしゃべり方をする役者なのだろうと思ったものだ。
 
10代後半に”名画座少女”となり、
本作や『欲望という名の電車』(’51)『波止場』(’54)を観るうち、
実年齢(笑)と実像に納得してゆくことになる。
 
革命児サパタ (2).jpg
 
実在したメキシコの革命家
エミリアーノ・サパタに扮した本作は、
20代のころに観たはず。
インディオと白人のハーフであったというエミリアーノであるが、
黒白映像の効果もあり、白人には見えないブランド。
 
農民たちを搾取する地主へ抵抗し、
ひいてはディアス大統領を追放、英雄となるエミリアーノ。
最愛の美女ホセファと苦心の末に結婚、初夜の窓下でひやかすのが、
アンソニー・クイン扮する兄ユーフェミオ。
 
権力と地位を得るうちに、
革命の理想像から離れていくことを憂うエミリアーノと、
豪放磊落に生きたいユーフェミオの対比が見せ場を作るが、
オスカー(助演男優賞)を受けたのはアンソニー・クイン!
この後、ザンパノだからなあ!
 
革命児サパタ (3).jpg 革命児サパタ.jpg
 
ホセファに扮したジーン・ピータースのきりりと小悪魔的な美しさ。
都会的な役柄からエキゾティックな役もこなした美人女優だった。
『ナイアガラ』(’53)では、まだ本領発揮前のマリリン・モンローより、
ジーンのほうが魅力的だったもの。
 
英雄に姿はいらない、
風のなかに魂が漂っていればいい、
そんなラストが皮肉である。 

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