"大橋美加のシネマフル・デイズ”No.227『コーヒー&シガレッツ』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]
2003年 アメリカ映画 ジム・ジャームッシュ監督
(COFFEE AND CIGARETTES)
17歳でフレンチ・ローストを教えられ、
コーヒーにハマった。
コーヒーにハマった。
年上の友達もたくさん出来た。
デミタスカップでコーヒーを飲むことが
カッコイイことであり、
カッコイイことであり、
頭も冴える気がした。
ジャームッシュ作品と出会う、10年ほど前のこと。
本作はジャームッシュが長い間あたためてきた構想をまとめ上げた、コンセプト短編集。
モノクロームの画面から、煮詰めたコーヒーの匂いが漂ってくる。
そう、我が青春の彼方に香る、芳しいコーヒーじゃないのよね!
見当違いの出逢い、堅苦しい会話、突拍子もない出来事などなど、
只々、苦みでやり過ごすためのコーヒーが、
次から次へと注がれてゆく可笑しさ。
煙草は十八歳で初体験、二十歳で止めた。
今でも夢のなかではたまに吸うことがある。
相手から暫し目をそらしたいとき便利なツールだが、
もう現実世界で吸うことはないだろう。
本作の数多い登場人物たちのなか、
美味しそうに煙草を吸うのは、謎の美女ひとりだけ。
あとは居ずまいの悪さを誤魔化すために
吹かしているだけに見える。
吹かしているだけに見える。
ミュージシャンとの付き合いの多いことでも知られる
ジャームッシュならではのスペシャルなキャスティングが嬉しい。
全11話の”Short Stories to Relax” さて、貴方のお気に入りは?