”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.218『心みだれて』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]
1986年 アメリカ映画 マイク・ニコルズ監督
(Heartburn)
(Heartburn)
亭主の浮気も作品のネタにしてしまう強さ、天晴れとしか言えない。
おまけに天下の名女優に演じさせてしまえば、効果絶大。
よくぞやってくれた、名脚本家にして監督であったノーラ・エフロン!
エフロン自身を投影したヒロインの
レイチェルに扮するのはメリル・ストリープ。
ファースト・ショットが如何にも思わせぶりでゴキゲン。
友人の結婚式でアーチの下に並ぶレイチェルと、
曲者ふうのジャック・ニコルソン扮するマーク。
中年同士、バツイチ同士の恋が始まる。
「結婚は懲りたわ」と言うレイチェルが、
初デートでメイク・ラヴ後に
初デートでメイク・ラヴ後に
カルボナーラをベッドに運んじゃう矛盾。
食べもので釣ったら、また結婚になっちゃうよ、
あら、ホントは結婚したいのね?
マーク役はジャック・ニコルソンを持って来るまでもない。
メリルが上手すぎて、相手役なんて誰でもいいじゃないと思ってしまう。
そうかそうか、ニコルソンに演じさせたほうが、
元夫のダメぶりが際立つというものか!
ノーラ・エフロンは本作後にメグ・ライアンを起用した
ラヴ・コメディを手がけ、一時代を築いた。
71歳の病死は惜しまれるが、後輩たちに遺した道は広いはず。
無名時代のケヴィン・スぺイシーが物騒な役で出演しているのは、
映画ファンなら知るところ。
ラスト・シーンは何度観てもにっこり出来る。母は強し!!!