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"大橋美加のシネマフル・デイズ”No.216『ゴースト・ドッグ』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1999年 米・日・仏・独 合作映画 ジム・ジャームッシュ監督
(Ghost Dog:The Way of the SAMURAI)
 
ジム・ジャームッシュ監督に一度だけ、
御目文字が叶ったことがある。
見事なプラチナ・ブロンドに少年のような瞳、
かなりの長身と見受けられ、
うわあ!かっこいい!という印象。
永瀬正敏、工藤夕貴を起用した
『ミステリー・トレイン』(’89)の来日記者会見であったか、
そのとき初めて、日本贔屓なのかなと感じた。
なにしろ、オフビートな黒白作品
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(’84)を
我々の世代の映画マニアに突きつけ、
ブームを巻き起こしたインディーズ作家であったから。
 
ゴーストドッグ (2).jpg ゴーストドッグ.jpg
 
鳩が舞う空。剣術の練習をする黒人の大男。
鳩小屋のある屋上に住むその男の名は、ゴースト・ドッグ。
”葉隠”を愛読する、静かなる孤独な男。
演じるのは、フォレスト・ウィテカー。
彼がこだわり抜く生きざまが、
ジャームッシュ独特のユーモアとペイソスを含みながら描かれる。
 
ゴーストドッグ (3).jpg
 
ゴースト・ドッグが対峙する
マフィアのファミリーが高齢化しているのも笑いを誘う。
銃で撃たれるまえに心臓発作で倒れちゃう、なんて場面も!
当時NYのリトル・イタリーに住んでいた
ジャームッシュならではの観察眼によるデフォルメが最高。
マフィアのボスがラッツパックのヘンリー・シルヴァだからねえ!
 
死んでゆく者、死者の意志を受け継いでゆく者。
言葉が通じないハイチ人の親友(笑)、年の離れた少女との交流は、
いつ観てもハッピーな気分になれる。
 

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