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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.120『オール・アバウト・マイ・マザー』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1999年 スペイン映画 ペドロ・アルモドヴァル監督
『オール・アバウト・マイ・マザー』(All About My Mother)
 
母親にとり、息子は魔物かも知れない。
我が倅は12~13歳頃であったか、
「ママが死んだら骨を食べるよ。
       そうしたら、僕のなかで生き続ける」と、確かに言った。
今年26歳となる彼は私を「美加さん」と呼び、
かの発言など定かでないらしい。
 
アルモドヴァル監督は現在の映画界に於ける、
屈指の”ストーリー・テラー”である。
 
初期はゲイである自身のアイデンティティを
ストレートに打ち出す作品が続いたが、
本作でアカデミー外国語映画賞を受賞したことをきっかけに、
その後の発想が拡がったと言える。
 
オールアバウトマイマザー.jpeg オールアバウトマイマザー (2).jpeg
 
雨の夜、憧れの舞台女優の公演を観た母と息子に見舞われる運命。
演劇という絆で繋がってゆく女たち、そしてかつての男との末路。
 
”イ”の項で紹介した『イヴの総て』へのオマージュをしたためた、
アルモドヴァルの母賛歌。
女優陣の活きいきとした演技が光る。
”病”というキイワードからは、
この時世に観なおして欲しい作品かも。
 
 

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