『ちいさな独裁者』 [映画]
ドイツのロベルト・シュヴェンケ監督・脚本による、
独・仏・ポーランド合作映画『ちいさな独裁者』は、
ナチス時代の末端の加害者を描く、驚愕の実話。
舞台となるのは、1945年4月終戦直前のドイツ。
荒々しい息づかいとともに逃げてくる若い兵士を、
ジープで追いながら将校が銃を撃ち続け弄ぶ
ショッキングなシーンから映画は始まる。
命からがら逃げた若い兵士は、
打ち捨てられた車の中から、
ナチスドイツの軍服・軍帽・食糧を見つける。
軍隊から逃走中に偶然みつけた軍服などにより
大尉に成りすまし、権力を利用して残虐な行為を繰り返した
当時20歳のヴィリー・へロルト。
シュヴェンケ監督は、この若者の人物像を一切語らずに、
彼のしたことを淡々と描き出す。
まるで、観客ひとりひとりに答えを
見出せと問いかけるように・・・
緊張感あふれるシーンの撮影中、
俳優たちも極限状態であったという本作、
ようやく辿り着いたラストに待ち受ける、
またもや背筋がぞっとするエンド・クレジット!
戦争を無くすため、どんな映画が必要なのだろうか・・
独・仏・ポーランド合作映画『ちいさな独裁者』は、
ナチス時代の末端の加害者を描く、驚愕の実話。
舞台となるのは、1945年4月終戦直前のドイツ。
荒々しい息づかいとともに逃げてくる若い兵士を、
ジープで追いながら将校が銃を撃ち続け弄ぶ
ショッキングなシーンから映画は始まる。
命からがら逃げた若い兵士は、
打ち捨てられた車の中から、
ナチスドイツの軍服・軍帽・食糧を見つける。
軍隊から逃走中に偶然みつけた軍服などにより
大尉に成りすまし、権力を利用して残虐な行為を繰り返した
当時20歳のヴィリー・へロルト。
シュヴェンケ監督は、この若者の人物像を一切語らずに、
彼のしたことを淡々と描き出す。
まるで、観客ひとりひとりに答えを
見出せと問いかけるように・・・
緊張感あふれるシーンの撮影中、
俳優たちも極限状態であったという本作、
ようやく辿り着いたラストに待ち受ける、
またもや背筋がぞっとするエンド・クレジット!
戦争を無くすため、どんな映画が必要なのだろうか・・
2017 - Filmgalerie 451, Alfama Films, Opus Film
配給:シンカ/アルバトロス・フィルム/STAR CHANNEL MOVIES
ヒューマントラストシネマ有楽町、
新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
『旅するダンボール』 [映画]
”It's only a paper moon,sailing over a cardboard sea"
ジャズソングの歌詞の一節である。
歌のなかではダンボール(cardboard)は舞台装置のマテリアル。
1987年神奈川県生まれである島津冬樹は、
財布を買うお金がなかった時、
ダンボールで財布を作ったことをきっかけに、
本格的にダンボール・アートに取り組むことに。
マテリアルとしてではなく、実際に街角に打ち捨てられているダンボール箱を
拾い、作品(財布・名刺入れなど)にしていくやり方である。
島津冬樹の活動を追った
ドキュメンタリー映画『旅するダンボール』、
他の人から見ればゴミでしかないものを作品にする、
ひとことで言えばゴミを減らす、環境保護につながる活動でもあると、
世界中から注目されているという。
本作を観てなにより楽しい気分になるのは、
島津氏が語る”ダンボール愛”
「日本のダンボールは殆ど可愛いゆるキャラが描かれている、
西洋などはカッコいいデザイン、色あいが多い」などなど・・・
美加はマニア魂のある人、だいすき。
いつかお会いしてみたいなあ・・・
さあ、ダンボールの旅を見とどけて、笑って泣いて!
12/7(金)YEBISU GARDEN CINEMA/新宿ピカデリーほか全国順次公開
(c) 2018 pictures dept. All Rights Reserved
ジャズソングの歌詞の一節である。
歌のなかではダンボール(cardboard)は舞台装置のマテリアル。
1987年神奈川県生まれである島津冬樹は、
財布を買うお金がなかった時、
ダンボールで財布を作ったことをきっかけに、
本格的にダンボール・アートに取り組むことに。
マテリアルとしてではなく、実際に街角に打ち捨てられているダンボール箱を
拾い、作品(財布・名刺入れなど)にしていくやり方である。
島津冬樹の活動を追った
ドキュメンタリー映画『旅するダンボール』、
他の人から見ればゴミでしかないものを作品にする、
ひとことで言えばゴミを減らす、環境保護につながる活動でもあると、
世界中から注目されているという。
本作を観てなにより楽しい気分になるのは、
島津氏が語る”ダンボール愛”
「日本のダンボールは殆ど可愛いゆるキャラが描かれている、
西洋などはカッコいいデザイン、色あいが多い」などなど・・・
美加はマニア魂のある人、だいすき。
いつかお会いしてみたいなあ・・・
さあ、ダンボールの旅を見とどけて、笑って泣いて!
12/7(金)YEBISU GARDEN CINEMA/新宿ピカデリーほか全国順次公開
(c) 2018 pictures dept. All Rights Reserved
『顔たち、ところどころ』 [映画]
フランスを代表する映画作家であり、
女性映画作家の草分け的存在であるアニエス・ヴァルダは
女性映画作家の草分け的存在であるアニエス・ヴァルダは
1929年生まれ、近年では”ヌーヴェル・ヴァーグの祖母”とも
呼ばれているらしい。偉大すぎる祖母である!
呼ばれているらしい。偉大すぎる祖母である!
そんなアニエスと、同じくフランスのアーティストJRとの
コラボ作品である『顔たち、ところどころ』
コラボ作品である『顔たち、ところどころ』
(Faces,Places)は、ドキュメンタリーとドラマの枠を
やすやすと超える、ヒューマンな秀作である。
やすやすと超える、ヒューマンな秀作である。
アニエス・ヴァルダ作品を愛し続けてきた美加、
2015年にカンヌ国際映画祭で史上6人目となる
2015年にカンヌ国際映画祭で史上6人目となる
パルム・ドール名誉賞を受賞した際の元気な映像を見たものの、
89歳を迎える年に、新作を観ることが叶うとは想いもせずにいた。
89歳を迎える年に、新作を観ることが叶うとは想いもせずにいた。
本作でアニエスとコラボするJRは33歳、
一般人参加型アート・プロジェクト”Inside Out"で知られるアーティスト。
一般人参加型アート・プロジェクト”Inside Out"で知られるアーティスト。
アートは自由な発想のもとに活かされていくべきものと
信じさせてくれるアイディアの持ち主である。
信じさせてくれるアイディアの持ち主である。
アニエスとJRが出会い、互いのアートを認めあい、
フランスの田舎を旅しながら、村人たちと接し共に作品を作り、
フランスの田舎を旅しながら、村人たちと接し共に作品を作り、
その場に残していくプロセスが描かれていく。
祖母と孫息子ほど年齢の離れた二人によるロード・ムーヴィー、
且つ計算された見事なアート作品であり、
且つ計算された見事なアート作品であり、
世代を超越したヒューマン・ドラマとも言える本作。
ラストまでわくわく、ドキドキしながら、
映画史上あらたに刻まれた凸凹コンビを堪能しよう!
ラストまでわくわく、ドキドキしながら、
映画史上あらたに刻まれた凸凹コンビを堪能しよう!
2018年9月15日(土)より、シネスイッチ銀座、
新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
Agnes Varda - JR - Cine-Tamaris - Social Animals 2016.
『皇帝ペンギン ただいま』 [映画]
フランスの映画作家リュック・ジャケが2005年に発表、
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞、
世界中が感動した奇跡のドキュメンタリー映画
『皇帝ペンギン』の続編が公開される。
泣きましたよ、美加は!親ペンギンの姿に!
人間の親の百倍、いや千倍はすごい!
続編のタイトルは『皇帝ペンギン ただいま』
うわあ、かえってきてくれるのね・・・
世界でなんと2500万人が観て感涙にむせんだ傑作、
あまりに唯一無二の力作であるがゆえに、
第二弾が完成するとは夢にも思わなかった!
今回もまた、観客のいや、我々人間の心を捉えて離さないのは、
ヒナを育てる親ペンギンの姿!
命がけでヒナを守るオトウサン、
潔く我が子から離れていくオカアサン、
ああ、見習わねば・・・
実はかなりのペンギン好きである美加、
種類やヒナの顔と親の顔の違いは知っていたが、
この続編で新たに、驚愕の姿を発見!
親より体が大きくなっても、
あのヒナ顔の時期があるということ!
まるで巨大な赤ちゃんペンギン!
必見の思春期時代か?
本能では皇帝ペンギンの親に遥かに劣る、
我々人間の親たち(もちろん美加も含む)である。
人間にしか出来ないこと、考えて考えて言葉を使って
コミュニケイションしていかねばと痛感!
生物学の高等教育終了後、南極の基地で14ヶ月に渡る越冬を経験、
それが前作『皇帝ペンギン』完成に繋がったジャケ監督。
生き物に寄り添い、生き物の目線になれる人であるからこそ生まれた傑作である!
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞、
世界中が感動した奇跡のドキュメンタリー映画
『皇帝ペンギン』の続編が公開される。
泣きましたよ、美加は!親ペンギンの姿に!
人間の親の百倍、いや千倍はすごい!
続編のタイトルは『皇帝ペンギン ただいま』
うわあ、かえってきてくれるのね・・・
世界でなんと2500万人が観て感涙にむせんだ傑作、
あまりに唯一無二の力作であるがゆえに、
第二弾が完成するとは夢にも思わなかった!
今回もまた、観客のいや、我々人間の心を捉えて離さないのは、
ヒナを育てる親ペンギンの姿!
命がけでヒナを守るオトウサン、
潔く我が子から離れていくオカアサン、
ああ、見習わねば・・・
実はかなりのペンギン好きである美加、
種類やヒナの顔と親の顔の違いは知っていたが、
この続編で新たに、驚愕の姿を発見!
親より体が大きくなっても、
あのヒナ顔の時期があるということ!
まるで巨大な赤ちゃんペンギン!
必見の思春期時代か?
本能では皇帝ペンギンの親に遥かに劣る、
我々人間の親たち(もちろん美加も含む)である。
人間にしか出来ないこと、考えて考えて言葉を使って
コミュニケイションしていかねばと痛感!
生物学の高等教育終了後、南極の基地で14ヶ月に渡る越冬を経験、
それが前作『皇帝ペンギン』完成に繋がったジャケ監督。
生き物に寄り添い、生き物の目線になれる人であるからこそ生まれた傑作である!
『皇帝ペンギン ただいま』
監督:リュック・ジャケ 日本語版ナレーション:草刈正雄
BONNE PIOCHE CINEMA ? PAPRIKA FILMS - 2016 - Photo : Daisy Gilardini
8月25日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ他、
全国順次ロードショー!
配給:ハピネット
?
タグ:皇帝ペンギン ただいま
『ラジオ・コバニ』 [映画]
「未来のわが子へ ラジオ・コバニのお話をしましょう
これは私の街、コバニの物語 私とあなたと
多くの人たちの物語です・・・」
二十歳の女性が、まだ見ぬ我が子に
語りかける詩で始まる69分の映画。
イラク出身のクルド人であるラベー・ドスキー監督の
手になる『ラジオ・コバニ』は、
ISとの戦闘により瓦礫と化したシリア北部の街・コバニで、
手作りのラジオ局を始める大学生ディロバン・キコを追うドキュメンタリー作品。
トルコとの国境に近いシリア北部のクルド人街・コバニは、
2014年9月から過激派組織ISの占領下となるも、
クルド人民防衛隊(YPG)による迎撃と
連合軍の空爆支援により、2015年1月に解放された。
二十歳のディロバンは友人とラジオ番組『おはよう コバニ』を立ち上げる。
度重なる不遇にもめげす、
スタジオ移転やトラックからの放送も辞さない彼女は、
ISと戦うクルド女性防衛部隊の司令官、難民キャンプで暮らす親
子などにもインタヴューを続けていく。
ディオバンが負った心の傷の大きさも、ごく自然に語られる。
幼馴染みの女性が斬首され、さらされたという事実。
「あのときから、私の感情は死にました・・・」と語るディオバン。
それでも、未来のために放送に執着する姿が、
映し出される。長年、ラジオ番組に携わる身として、
衝撃を受けた一作。
「戦争に勝者などいません。どちらも敗者です」という
詩の一節を忘れたくない。
これは私の街、コバニの物語 私とあなたと
多くの人たちの物語です・・・」
二十歳の女性が、まだ見ぬ我が子に
語りかける詩で始まる69分の映画。
イラク出身のクルド人であるラベー・ドスキー監督の
手になる『ラジオ・コバニ』は、
ISとの戦闘により瓦礫と化したシリア北部の街・コバニで、
手作りのラジオ局を始める大学生ディロバン・キコを追うドキュメンタリー作品。
トルコとの国境に近いシリア北部のクルド人街・コバニは、
2014年9月から過激派組織ISの占領下となるも、
クルド人民防衛隊(YPG)による迎撃と
連合軍の空爆支援により、2015年1月に解放された。
二十歳のディロバンは友人とラジオ番組『おはよう コバニ』を立ち上げる。
度重なる不遇にもめげす、
スタジオ移転やトラックからの放送も辞さない彼女は、
ISと戦うクルド女性防衛部隊の司令官、難民キャンプで暮らす親
子などにもインタヴューを続けていく。
ディオバンが負った心の傷の大きさも、ごく自然に語られる。
幼馴染みの女性が斬首され、さらされたという事実。
「あのときから、私の感情は死にました・・・」と語るディオバン。
それでも、未来のために放送に執着する姿が、
映し出される。長年、ラジオ番組に携わる身として、
衝撃を受けた一作。
「戦争に勝者などいません。どちらも敗者です」という
詩の一節を忘れたくない。