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『ラジオ・コバニ』 [映画]

「未来のわが子へ ラジオ・コバニのお話をしましょう
これは私の街、コバニの物語 私とあなたと
多くの人たちの物語です・・・」

二十歳の女性が、まだ見ぬ我が子に
語りかける詩で始まる69分の映画。


ラジオ・コパニ04.jpg

イラク出身のクルド人であるラベー・ドスキー監督の
手になる『ラジオ・コバニ』は、

ISとの戦闘により瓦礫と化したシリア北部の街・コバニで、
手作りのラジオ局を始める大学生ディロバン・キコを
追うドキュメンタリー作品。

ラジオ・コバニ02.jpg

トルコとの国境に近いシリア北部のクルド人街・コバニは、
2014年9月から過激派組織ISの占領下となるも、

クルド人民防衛隊(YPG)による迎撃と
連合軍の空爆支援により、2015年1月に解放された。

二十歳のディロバンは友人とラジオ番組『おはよう コバニ』を立ち上げる。
度重なる不遇にもめげす、

スタジオ移転やトラックからの放送も辞さない彼女は、
ISと戦うクルド女性防衛部隊の司令官、難民キャンプで暮らす親
子などにも
インタヴューを続けていく。

ラジオ・コバニ03.jpg

ディオバンが負った心の傷の大きさも、ごく自然に語られる。
幼馴染みの女性が斬首され、さらされたという事実。

「あのときから、私の感情は死にました・・・」と語るディオバン。
それでも、未来のために放送に執着する姿が、

映し出される。長年、ラジオ番組に携わる身として、
衝撃を受けた一作。

「戦争に勝者などいません。どちらも敗者です」という
詩の一節を忘れたくない。

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