SSブログ

『ジャズ・ロフト』 [映画]

ジャズ・ミュージシャンの姿を捉え、
注目されたフォトグラファーは数あれど、
ジャズ・ミュージシャンにセッションの場を提供し、
自由に演奏する彼らの姿を撮影・録音し続けたフォトグラファー、
ユージーン・スミスは稀有な存在。
本作は、サラ・フィシュコ監督による、
1950年代ニューヨークの、
むせ返るような熱気が伝わってくるドキュメンタリー。

jazz_loft_main (640x412).jpg

1918年生まれ、戦場カメラマンとしての活動後、
絶大なる影響力を持っていた『ライフ』誌で活躍、
写真家としての地位を築いていたのにも拘わらず、
1950年代半ばにはマンハッタンのロフトを借り、
なんと8年もの間、ジャズ・ミュージシャンたちの姿と
音に向き合い続けたユージーン・スミス。
メジャーな仕事や家族から離れ、
ジャズと接することで、得たものとは・・・?

jazz_loft_sub01 (418x640).jpg

数々の証言、多くのエピソードが並ぶが、
もっとも意外であり心うごかされたのが
”変人”ぶりでも知られたセロニアス・モンクの逸話。
ジャズ・ロフトでのリハーサル中、
どうしてもスウィング感を出せなかったホーン奏者が
「休憩中、モンクは私のパートをステップで踊ってくれた。声を上げて恥をかかせず、
スウィングを示してくれた。休憩後、彼の踊った通りにプレイしたよ!」というもの。

jazz_loft_sub02 (640x426).jpg

窓に朝の光がさし染めると、みな家に帰って寝た。
昼夜がひっくり返ったミュージシャンの暮らし。
日本のミュージシャンも昔はそうだったと、
亡き我が父からよく聞いたものである。
今に言わせれば、不健康そのもの、
それでも日々あたらしい音が生まれていたのであろう、
ジャズ・ロフト。
我が父・巨泉が存命なら、
ぜひ観て欲しかった一作である。

10月15日より Bunkamura ル・シネマ他全国順次公開

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント