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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.233『この森で、天使はバスを降りた』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1996年 アメリカ映画 リー・デヴィッド・ズロトフ監督
『この森で、天使はバスを降りた』
(The Spitfire Grill)
 
意味深で茫漠とした邦題である。
観おわってみて初めて、名付けた配給会社の
感じかたが伝わってくるというもの。
 
アメリカの田舎町を舞台にした映画は興味深く、
とりわけ選んで観てきた気がするが、
本作は、まずファースト・シーンに注目したい。
 
この森で、天使はバスを降りた.jpeg この森で、天使はバスを降りた (2).jpeg
 
オペレイターらしき大きな瞳の若い女性が、
電話でメイン州の魅力について快活に宣伝している。
次第にカメラが引き鉄格子が見え、
刑務所内であることがわかってくる。
この州では受刑女性にこういった仕事を与えているのか。
主人公パーシーはほどなく出所し、
鄙びた町に向かっていく。
 
この森で、天使はバスを降りた (3).jpeg
 
森がある町、花崗岩が採れる町、人情と猜疑心が混在する町。
若き受難者パーシーに扮するアリソン・エリオット、
オリジナル・タイトルにある食堂(Spitfire Grill)の女主人を演じる
オスカー女優エレン・バースティン、
鬱憤を抱えた心根の良い主婦にマーシャ・ゲイ・ハーデンと、
女優陣がひときわ目立つキャスティング。
 
戦争や児童虐待など、人生に拭えない影を落とす問題を提起しながらも、
目を見はるような景観により、浄化される救いをもまた見せてくれる、
余韻の濃い一作。

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