”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.219『絞殺』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]
1979年 日本映画 新藤兼人監督 『絞殺』
1977年に実際に起きた開成高校生殺人事件を基に、
新藤兼人監督が脚色・製作も務めた問題作。
主人公の少年がウイスキー瓶をがぶがぶ煽り、こちらに投げつける。
恐れおののく両親を映し出すファースト・ショット!
一人息子を東大に入学させることだけに人生を賭ける両親。
父に西村晃、母には監督夫人でもあった乙羽信子。
二人とも渾身の熱演だが、
殊に乙羽は50代半ばでヌードや濡れ場も厭わず、女優魂を見せつける。
少年・狩場勉に扮するのは狩場勉。同じ名前にがんじがらめ状態、
さぞきつい撮影であったことだろう。
本作の数年後には役者を辞めたと聞く。
新藤作品は画づくりや編集が独特であり、
家庭内暴力という極めて
シリアスなストーリーの軸を、自らぶれさせる。
シリアスなストーリーの軸を、自らぶれさせる。
真の恐怖や悲劇に直面したときに、
人は突飛な振る舞いをしてしまうのだろうが、
人は突飛な振る舞いをしてしまうのだろうが、
わざわざ、まざまざと見せられると、
身震いしていいのか、
ニヤついていいのか・・・。
身震いしていいのか、
ニヤついていいのか・・・。
ストーリーとしても、
実際の事件に劇的な要素を大幅に組み込み、
実際の事件に劇的な要素を大幅に組み込み、
やり場のない状況に追い打ちをかける。
何度観ても拭いきれない後味を残し、
夢にもあらわれる怖い一作である。
夢にもあらわれる怖い一作である。
2022-07-18 19:50
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