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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.235『ゴジラ』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1954年 日本映画 本多猪四郎監督『ゴジラ』

何十年ぶりに観なおして愕然とする。
畳みかけるような伊福部昭のスコアが
禍々しさを煽るタイトル・バック。
見えない恐怖、見せない恐怖。
メイン・キャラクター三人(宝田明・平田昭彦・志村喬)の不毛な相容れなさ。
只々、狼狽える河内桃子の愛らしき痛ましさ。
 
ゴジラの出現に、人々の洩らす言葉。
「被爆地からやっと逃げてきたのに、
    また疎開しなきゃならない」
「天国のお父さんのところへ行こう」などなど、
戦争が深い影を落とす。
 
ゴジラ.jpeg ゴジラ (2).jpeg
 
今回観なおして、
平田昭彦演じる科学者と、
スタンリー・キューブリック作品『博士の異常な愛情』(‘64)で
ピーター・セラーズが怪演したドクター・ストレンジラヴのイメージが、
なぜか微妙に重なった。
 
人類の罪を一身に背負った化身であったはずのゴジラは
今や普遍的な偶像となり、
21世紀の我が隣町・新宿のビル上にも、
その姿を見せている。
これで良いのか?
 

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