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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.205『激突!』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1971年 アメリカ映画 スティーヴン・スピルバーグ監督
(Duel)

自分より大きくて強いものが、
自分を狙って追いかけてくる。
逃げ道はない。
初めて本作を観たときは、
あまりの不条理に苛立ち、
ストレスが溜まった。
二回目に観たときは、こりゃSFか?と感じた。
三回目に観かえして、
誰しもが一度は向き合わなければならない、
”死”との対峙を感じた。
人は必ず死ぬ、
死ななかった人はいない。
だが、いつ、どのように、死ぬか?

激突.jpg 激突 (2).jpg

殆ど一人芝居と言える主人公を演じる
デニス・ウィーヴァー。当時46~47歳。
細面に彫りが深く、
口髭と眼鏡、神経質な表情。
何処にでもいる、気の小さい家庭持ちの
中年男に見えるところが勝因。
そうそう、”ク”の項で紹介した
オーソン・ウエルズ作品『黒い罠』(’58)では、
エキセントリックな怪演を見せていたっけ。

不条理に嘆き、
何とか逃げ出そうともがき、
やがては腹を決めるのが人生。
死ぬものか!絶対に負けるものか!
本作を観て、きっと、
そう感じるはず!感じて欲しい!

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