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『BILLIE』 [映画]

ビリー・ホリデイについては、
すべてを知っているつもりだった。
知らなかったこと、知りたくなかったこと、
謎めいた死を遂げた若きジャーナリストの
リンダ・リプナック・キュールが突きつける。
監督・脚本はジェームズ・エルスキン。
少女時代にレイプされ、売春に身を染めたこと。
酒とドラッグに溺れ、命を縮めたこと。
 レコーディング中も酒びたり、
ヴァース(導入詞)の歌詞を覚えられなかったことは、
知っていたけれど。

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渋いピアニストで歌もうたえるジミー・ロウルズが、
ビリーと楽屋で懇ろになっていた経緯について証言する。
「コードを直してくれと言われて楽屋に行くと、
               彼女は靴以外、身に着けていないんだ」
 あまりに具体的すぎて、目を瞑りたくなる。
ジミーがビリーの愛唱曲を集めたアルバム”KINDA GROOVY!”は
我が愛聴盤であるが、そうか、惚れちゃっていたのかあ・・・
 
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ビリーがマゾヒストというだけでなく、
サイコパスでもあったと、証言する声、声、声。
ひどい仕打ちをする男を愛し続けるという内容の歌は
ビリーの得意とするところであるから、
自虐性はわからなくもないが、
サイコパスという言葉には、思わずひるむ。
トーチ・ソングを歌うため?
いやいや、それだけじゃないはず!
 
ビリーの音源は、若く溌剌とした歌声のコロムビア時代から、
痩せてぼろぼろの鬼気迫るヴァーヴ版まで所持しているが、
いずれも、全く別ものの良さがある。
決して哀しいだけの歌声を遺したのではない。
 
「私は1日で100日を生きようとする女」と語る、ビリーの声。
そうね、これだけはすこし、わかった気になろう。
「1日で100日分の幸せを生きようとすること」
”LADY DAY” わたしは、これを目指すわ!
幸せの意味は、一人ひとり違うだろうけれど。
 
2021.7.2(FRI)―7.15(THE)

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