SSブログ

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.232『コリーナ、コリーナ』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1994年 アメリカ映画 ジェシー・ネルソン監督
『コリーナ、コリーナ』(Corrina,Corrina)

サラ・ヴォーンの歌うガーシュウィン・ナンバー
「誰も奪えぬ想い出」という歌詞をもつ
”They Can't Take That Away From Me"が聞こえてくるタイトル・バック。
若くして亡くなった女性の葬儀のシーン、黒い靴ばかり行き交う床。
テーブルの下に潜っている幼い娘モリーの目線で映画は始まる。
扮するのは撮影当時8~9歳の天才子役ティナ・マジョリーノ。

そして、登場するのが名コメディエンヌのウーピー・ゴールドバーグ。
『ゴースト/ニューヨークの幻』(’90)でオスカー(助演女優賞)、
『天使にラヴソングを・・・』(’92)シリーズの大ヒットでノリに乗っていた時期のウーピー!

コリーナコリーナ (2).jpeg コリーナコリーナ.jpeg

舞台となるのは1950年代。家並みやレトロな衣裳が目に楽しい。
ウーピー扮するコリーナは高等教育を受けた知的な女性だが、
黒人ゆえに文筆家としての一歩を踏み出せずに居る。
コリーナと、モリーを含むユダヤ人一家の心の交流の行く先は・・・?

サッチモの”You Go To My Head”
ビリー・ホリデイの”Pennies from Heaven”
ダイナ・ワシントンの”縁は異なもの”などなど、
場面に合ったジャズソングほか、既成曲が散りばめられている。
ジェシー・ネルソン監督の少女時代の想い出から生まれた、
忘れ難いヒューマン・ストーリーである。

nice!(0)  コメント(0) 

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.231『恋ひとすじに』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1958年 仏・独 合作映画 ピエール=ガスパール・ユイ監督
『恋ひとすじに』(CHRISTINE)

2020年春から、手持ちの映画DVDを観なおしていこうと
スタートした”大橋美加のシネマフル・デイズ”
ロミー・シュナイダーについて語るのは初めてかも。
本作は1906年ウィーンが舞台のコスチュームものである。

恋ひとすじに (2).jpeg

明るいブルー・アイズとブロンド、
すこし離れた目、さほど高くない鼻。
絵に描いたような美人ではないが、
一度観たら忘れられない面差し。
仕草や表情、とりわけ笑顔が
只ひたすら愛らしいロミーを見ていると、
無垢な小動物を守りたいような気持ちに
つつまれてしまう。

本作で竜騎兵将校に扮した水も滴る美男子アラン・ドロンと
実生活でも恋に落ちたのが頷ける。

オリジナル・タイトルにある
”クリスティーネ”は、ロミー演じる主人公の名。
チェロ奏者の父と二人暮らしで、
歌姫になることを夢見る二十歳の娘。
オペラ座の出口で「管楽器がうるさい」というパパの台詞が可笑しい。

恋ひとすじに (3).jpeg

カラフルでお気楽なラヴ・コメディの如く滑り出し、
急速に様相が変わってゆく後半。まさに邦題が活きてくる。
ロミーの見ひらかれたブルー・アイズが忘れられない。

のちに自身も悲劇の只中に置かれ、
43歳の若さで他界したロミー・シュナイダー。
語るに酷い逆縁を経験しての夭折である。
晩年の作品群、ことに遺作『サン・スーシの女』(’82)の存在感は忘れ難いが、
溌溂とした乙女を演じた本作も、
ぜひ心に焼きつけて欲しい。

nice!(0)  コメント(0) 

秋立つやいつか会いたき人のゐて 魅歌 [Live]

三熟女リモート鼎談!!!
上段左から、海原純子氏、美加。
下段左から、『JAZZ JAPAN』誌編集長三森隆文氏、ライター山本美芽氏。
 
2022-08-31 (4).png
 
編集長以外のお二方とは画面越しの初顔合わせであります!
”ジャズソング””歌”について熱く語った70分間でした。
 
「先生と呼ばないでね」と優しく仰った海原純子医師、
山本美芽氏ともに、いつかリアルでお会い出来る日が来ることを念じます。
 
9月27日発売『JAZZ JAPAN』誌に4頁に渡り掲載予定、
どうぞ、お楽しみに!

nice!(0)  コメント(0) 

倖せと心に刻む葉月尽 [日記・雑感]

2022年の八月尽は
予期せぬハプニングに見舞われたが、
信頼できる友人や家族のお陰で、
切り抜けることが出来た。
感謝のひとことに尽きる。
Dr.JAZZのT.O.氏、
彼の恩師Dr.A.I.氏、そして、我がパートナー。
本当に、いくつになっても
人生は初体験の連続なんだなあ…

DSC_0608.JPG DSC_0607.JPG
ライヴが無事に終了し、
翌日は長女の瑠奈と倅の燿司が来訪。
約一年ぶりに一家が集い、
90分ばかりマスク会食。
DSC_0606.JPG DSC_0605.JPG DSC_0598.JPG
だいすきなヤン・シュワンクマイエルDVDは
シネマニアの燿司から、
スキンケアに詳しい瑠奈からはボディソープとタオル、
我がパートナーからは
実は春に先貰い(笑)したうえ、
箱入り花が届く!

DSC_0593.JPG
DSC_0596.JPG
DSC_0594.JPG
  
継母からはゴージャスなピアスと
薔薇のカードに薔薇の紅茶。
感謝、感謝の葉月尽、
暫くウォーキング出来ないことは辛いが、
余りある倖せに感謝!

nice!(0)  コメント(0) 

”大橋美加&Gemstones vol.36”at『MZES TOKYO』 [Live]

日曜日は赤坂『MZES TOKYO』でライヴ。
我が門下生とのコラボ、
”大橋美加&Gemstones vol.36”
共演は守屋純子(P) 池田聡(B)

IMG_20220828_163404097_edited.jpg

前回は満席でしたが、今回はコロナ再拡大により、
10数名のキャンセルに見舞われました。
それでも、遠くから足を運んでくださるお客様もあり、有難きこと。

IMG_20220828_161224778_edited.jpg

和製ブロッサム・ディアリーを目指す小林真弓は
”If I were a Bell”
”It’s a pity to say good-night"など4曲。

1661685138846_edited.jpg

シャンソン出身のゴージャスな猪野みどりは
”MANHATTAN””How High the Moon”など4曲。

IMG_20220828_153024347_edited.jpg

美加はリクエストも含め、
10数曲をお贈りしましたが、な、なんと・・・
バースデイ・ケーキのサプライズがあり、ビックリ!
誕生日は数時間先(笑)なのですが、
名古屋からおいでいただいたS.N.氏の演出!
あたたかい気持ちに包まれた宵でありました。感謝!
さあ、明日からはまた、はりきっていきましょう!

nice!(0)  コメント(0) 

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.230『ゴーストライター』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

2010年 仏・独・英 合作映画 ロマン・ポランスキー監督
『ゴーストライター』(The Ghost Writer)

映画は"色“で決まる。
映画用語でいうところの“ルック"である。
ポランスキー作品は数多く観てきたが、
これほど"ルック“にこだわった作品も珍しい。
まるで、不安を色にしたよう。

ロバート・ハリスの脚本を読んだポランスキーは
「レイモンド・チャンドラーみたいじゃないか!」と
色めき立ったそうだが、
これはヒッチコックだよねえ!
ヒッチも政治がらみのストーリーが少なくなかった。
もちろん、主人公は”巻き込まれ型”となる。

ゴーストライター (3).jpeg

元英国首相ラングの自叙伝を書くゴーストライターとして
雇われる主人公に扮するユアン・マクレガー。
如何にもスケープゴート的な童顔の憎めない二枚目半。
なにしろ、前任者は謎の死を遂げている。
ラングに扮するのは007経験者のピアース・ブロスナン。
とにかく”BRITS”がキイ・ワードのストーリー。
色を添えるオリヴィア・ウィリアムズ、
キム・キャトラル、こちらも”BRITS”

ゴーストライター (2).jpeg ゴーストライター.jpeg

孤島に垂れこめる灰色の雲、目眩ましの雨、冷たく佇む大邸宅。
騙そうとしているのは誰?命を狙われるのは何故?
陽の光の射さない世界で右往左往する、名無しの主人公。

人間不信の異端児ポランスキーが仕かけた、
クレジット・タイトルから恐怖が滲み出る戦慄の問題作。


nice!(0)  コメント(0) 

”美加のNice’N’Easyタイム” [テレビ・ラジオ]

水曜日はラジオ番組
”美加のNice’N’Easyタイム”5週分のリモート収録。
ミュージックバード本放送ほか、
コミュニティFM、インターネットでも
聴いていただけます!

IMG_20220824_123750771_edited.jpg

プログラムをご紹介しましょう。
11月27日『コンピレイション・アルバム特集』
-たまに取り出すと新しい発見があるのがコンピ!
12月4日『D for DIVA』
-ダイナ・ワシントン、
ダイナ・ショア、ダイアン・リーヴス他。
12月11日『ウィズ・フレンズ』
-メル・トーメ&フレンズ他、
ゲストありの楽しいヴァージョン特集。
12月18日『Christmas Girls』
-ジャネット・サイデル、
バーブラ・リカ、私、大橋美加のクリスマス・ソングも。
12月25日『ふたりの年の瀬』
-ふたりでも、ひとりでも、
あたたかい気持ちになれる歌をお贈りします!

DSC_0591.jpg

収録後は生徒のレッスン、その後ウォーキングへ。
番組収録中の昼ごろに大きな雨音がするも、午後はしのぎ易い天候に。

DSC_0581.JPG

色あざやかな朝顔が咲き始めた。
夏のイメージであるが、
秋の季語なのよねえ・・・

nice!(0)  コメント(0) 

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.229『恋するリベラーチェ』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

2013年 アメリカ映画 スティーヴン・ソダーバーグ監督
『恋するリベラーチェ』(Behind the Candelabra)

リベラーチェの名前を知ったのは、
ジャズクラブに出演しはじめた時代。
共演した大先輩のピアニストたちのなかで、
ジョークめかして彼の名を口にする人たちがいた。
「この曲をこう弾くと、リベラーチェになっちゃうよね」
「うわ、あの指輪、リベラーチェみたいだな!」などなど・・・。
少なくとも、ジャズ・ミュージシャンからは
揶揄される存在かとは推察するも、
いったい、どんなピアニストなのだろうかと、
想像力を膨らませたものである。
当時は写真を観ることが叶わなかったから。

恋するリベラーチェ (2).jpeg

長い年月、リベラーチェの名前は忘れ去っていた。
まさか、マイケル・ダグラスの扮装により、
彼を認識することになろうとは・・・!

父・カーク・ダグラスの迫力には及ばぬ個性ながら、
プロデューサーとしても手腕を見せる俳優という
イメージを持ち続けてきたが、本作で一気に見直した。
リベラーチェ役、パパには無理!
マイケル、よくぞやってくれた!

恋するリベラーチェ.jpeg

現在ではインターネットで容易に
御本人の写真を観ることができる。
うわあ、こういう人だったのねという具合。

本作では、クラシックとポピュラーを融合させたピアノ・プレイと
豪華絢爛な衣裳と舞台セットで大人気を博した
リベラーチェのステージが再現される。
タイトルの”Candelabra”は
彼がステージ小道具としていた枝付燭台の意味。

恋するリベラーチェ (3).jpeg

原作は晩年の恋人スコット・ソーソンによるもの。
不幸な生い立ちにより、動物を愛し獣医を目指していた
スコットに扮するのはマット・デイモン。
元来、素朴な風貌のデイモンにぴったりくる役柄。
ブロンドが痛々しい。

虚飾の権化のようなリベラーチェが、
スコットには素顔やカツラのない姿を晒し、
衰えゆく肉体に抗いつつ性愛への欲求を発散させる。
「子どもだけは欲しかった」というひとこと。
信じさせるのが役者の技量なら、
成功しているのではないかな。

nice!(0)  コメント(0) 

第二十二回『桃が丘リモート句会』 [日記・雑感]

日曜日は『桃が丘リモート句会』、二十二回を数えます。
兼題『桃』:あみ 『馬鈴薯』:ねぼけ猫
以上各一句ずつ、当季雑詠二句、計四句提出。
 
2022-08-21 (2)_edited.jpg
 
上段左より
裕家-有名教材会社を経て句作りを楽しむ。
魅歌-呑ん兵衛のジャズ・シンガー。
の~じ~-ジャズ&映画ファン。
 
下段左より
枕流-中国故事からの俳号を掲げる。
一哉-弱冠12歳で夏井いつき組長と
テレビ共演経験のある句歴17年の講師。
ねぼけ猫-有名広告代理店コピー・ライター。
 
不在投句
みどり-謎の俳人。”CAT PERSON”らしい。
幸人-日々フォト俳句をSNSに掲げるフォトグラファー。
洋子-厨俳句の名手か?
薫里-ジャズを愛する松山の妖精。
 
DSC_0588.jpg
 
本日の一句
 
枝豆やきみの話はつまらない ねぼけ猫
 
処暑の微睡み壊したる明け烏 裕家
 
馬鈴薯や汝はバロンかクイーンか 枕流
 
つぶしてもなほ香りたる桃の箱 みどり(不在)
 
もういいかい貰い受けたる桃に聞く の~じ~
 
鮭焼きて嗅覚少し戻りけり 洋子(不在)
 
馬鈴薯を洗う音する井戸の家 魅歌
 
(以上、一哉の添削後の句含む)
 
次回は9月18日(日)午後1時開始、興味のあるかた、
ご一報をお待ちしていますね!

nice!(0)  コメント(0) 

上質の本質を知る髪洗う 魅歌 [日記・雑感]

以前も書いたが、ソーイング好き。
海外のステージ衣裳はサイズが大きいため、自分で直すことは通常。
昨年からは普段着もリフォームし、楽しんでいる。
新宿にある行きつけ店のスタッフは20代~30代とおぼしき若手中心、
専門知識が豊富であり、相談もできるので、実に重宝。
ところが・・・

DSC_0584.JPG

先日買った生地の寸法が違っていたのである。
価格にすれば僅かではあるが、寸法が足りないと価値はゼロ!
珍しくかなり年配のスタッフであったのだが、専門的な話は良く通じていた筈なのに・・・
DSC_0582.JPG

何十年も通った専門店中の専門店のミスはショックが大きく、
どのようにクレイムをつけようかと一晩熟考。
翌日の開店時に電話をし、事実関係とこれまでの当店へのリスペクトを詳しく告げたところ、
「本当に申し訳ありません、上司に話して折り返します」
数分後に電話があり、「ご指定の生地をすぐに郵送致します」とのこと!
初ミスの落胆を凌ぐ処置に、さすが上質の専門店と、さらなるイメージ・アップとなった。

DSC_0583.JPG

ばあちゃん(義母)の手作り野菜をいただく。
曲がった胡瓜、小さなちいさな茗荷だが、侮れませんよ、味は抜群!
残暑はつのるが、元気を貰えたぞ~!

nice!(0)  コメント(0)