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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.208『刑事ジョン・ブック 目撃者』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1985年 アメリカ映画 ピーター・ウィアー監督
(WITNESS)

オーストラリア出身のピーター・ウィアー監督を一躍有名にした、
ハリソン・フォード主演の一作。確か新宿の映画館で観たはず。
当時すでに大スターであったハリソンが扮する刑事が主人公の
サスペンスものかと、誰もが予想した。

映し出されるのは薄紫色の空、低くそよぐ草、黒い帽子と黒い服の村人たち。
え?現代劇じゃないの?と感じるすべり出し。
文明から離れ、質素な生活を極めるアーミッシュと呼ばれる人々の物語であるとわかってくる。

刑事ジョン・ブック.jpg 刑事ジョンブック.jpg

本作において”天才子役”と謳われたルーカス・ハースの大きな瞳が忘れられない。
ストイックな生活を営むアーミッシュの少年が、目撃者となる瞬間!

そして本作には、ハリウッド映画史上でもっともセンシャルなキス・シーンも待ち受けている。
これほど官能的なキス・シーンはほかにないと、美加は今でも信じている。
アクロバティックなベッド・シーンを好むハリウッドに叩きつけた、ウィアー監督の一撃!

ミステリアスな幻想譚『ピクニック・アット・ハンギングロック』(’75)を
日本公開時(1986年)に観て以来、ウィアー作品に魅せられてきた。
あたかも神の視線を感じさせるような演出は、
時代を経てなお、観客の感性に響きつづけるに違いない。

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