SSブログ

ミニ発表ライヴ”at 『アート石井』 [Live]

土曜日は約10ヶ月延期となっていた、
我が門下生たちの”ミニ発表ライヴ”を本所吾妻橋『アート石井』で開催。
共演は守屋純子(P)
開講以来、最小人数でありながら、
中身の濃いライヴとなりました!

IMG_20210123_155011129.jpg  IMG_20210123_144957648.jpgIMG_20210123_150049857.jpg IMG_20210123_151506932.jpg

ビニール・シートを設え、マイクは一人うたうごとに消毒、
歌うとき以外はすぐにマスク着用、換気も十分に行ない敢行。
オーナー・石井敏子氏は”Fly Me to the Moon””Ain't Misbehavin'”
”Bye Bye Blackbird”歌心ある出来栄え。

作詞作曲も手がける黒一点のMilvoは”SUMMERTIME”
”All of Me””I Fall in Love too Easily”をジェンダーを超えた声とブルースハープで披露。
エキゾティック・ビューティのTELMEは”SUNFLOWER”
”Take the’A’Train”ニナ・シモンのナンバー”Feelin’Good”を思い入れたっぷりに。

IMG_20210123_152756965.jpg IMG_20210123_153724432.jpg

仲間内から「けだるい魅力」と評される佳(けい)は”I’m Confessin’”
”Things We Did Last Summer””Willow Weep For Me”
渋い選曲に合う歌唱でぐっとセンシャルな雰囲気に。
トリは最年少にして、ジャズ・ヴォーカル歴15年のNao。
そう、小学4年生からの百戦錬磨。”You’re the Top”
”Born to be Blue””Night and Day” コール・ポーター2曲はヴァースから、
確信を持った歌唱でうたいあげた。

IMG_20210123_155024886.jpg

感無量の美加は、「人生の応援歌になる歌をうたおう」と決めていたので、
”DREAM””The Glory of Love”を。
これまでで最も実りある”ミニ発表ライヴ”であったと思う。
守屋純子氏からも拍手を貰い、出演した門下生たち、満面の笑み。
今回、開催に踏み切ってくれたオーナー・石井敏子氏の勇気に感謝。
さあ、次回は5月~7月ごろに”メイン発表ライヴ”が叶うよう、前向きにいきましょう!

nice!(0)  コメント(0) 

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.103『女相続人』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1949年 アメリカ映画 ウイリアム・ワイラー監督
(The Heiress)

モノクロームの画面に映し出される、細密な刺繍作品。
テーマソングが流れ、はっとする。
ジョーン・バエズの歌った
『愛の喜び』(Joys of Love)の原曲である。
歌詞を想い浮かべると、
これから始まる物語の行く末が不安になってくる。

舞台は1849年、ニューヨーク ワシントン・スクエア。
裕福な医師である父と、一人娘のキャサリンが暮らす屋敷。
二十歳という設定のキャサリンに扮するのは、
当時32~33歳であったオリヴィア・デ・ハヴィランド。
既に一時の母であった。
刺繍ばかりしている内気なキャサリンを、
冷徹な眼差しで観ている父。
理由は、のちに明らかになっていく。
そこに現れる、モンゴメリー・クリフト扮するハンサムで積極的な青年。

女相続人.jpeg 女相続人 (2).jpeg

オリヴィア、モンティ、父親に扮するラルフ・リチャードソンの完璧すぎる配役。
殊にオリヴィアはまさに水を得た魚のようにこの役を演じ込む。
『風と共に去りぬ』(’39)のメラニー役のあとに本作を観ると、総毛だつ。
女優ってこわいなあ・・・ そして、オスカー受賞と相成る。

初めて観たときは、結末に衝撃を受けた。
現代なら当然すぎるくらいだが、いくら原作ものとはいえ、
この時代のハリウッド映画らしからぬエンディングであるから。
鏡を活かしたファースト・シーンとラスト・シーンも忘れ難い。
ひとの心が鏡に映ったなら、どれほどの涙が救われるだろうか。

nice!(0)  コメント(0) 

『アート石井』レッスン [日記・雑感]

木曜日は本所吾妻橋『アート石井』で
生徒たちのレッスン。まずは地元でウォーキング。

蠟梅を見つける。淡い香りを感じとりたいが、垣根の上で届かない。
春を待つ想いだけ、届くといいな。

DSC_0163_edited (640x480).jpg

一万歩に近くなり、一時帰宅。気が緩むと、
疲れがふわっと身体をめぐり、ソファに横たわりたくなる。
買い置き野菜で副菜を作り、車中のひととなる。
歩いたあとゆえ、助手席でまどろみたいが、
素面ではなかなかそうもいかない・・・

KC4F0888.jpg

生徒たちのレッスンを終えて、
またもや車窓から夜の街を眺め、帰途に就く。
大久保のKOREAN TOWNには通常通りの人だかり。
仕切りもない小さな店で飲んだり食べたりしているうちは、
疫病感染者が出て当然だろう。
この国はなぜ、税金を払っている国民に全てを任せるのか。
そんな国のいうことを、いちいちきく人がいるからだろうなあ!
まったく、苦笑しかない。

nice!(0)  コメント(0) 

寒晴やベルリンからのメール読む 魅歌 [日記・雑感]

ジャズ・ピアニスト&コンポーザーである
Larry Porterは毎年"New Year's Mail"をくれる。
出逢いは2003年~2004年ごろであったか、
ニューヨークから来日し、3~4ヶ月間日本に滞在し親しくなった。
縁あってプライヴェイト・レコーディングした音源が
当時数々のジャズCDをリリースしていたレーベルJAZZBANKより
『スウィート・カンヴァセイション』という
アルバム・タイトルでリリースもされた。懐かしい。

sweetconversatio.jpg

当時独身であった彼は、
我が家で我がパートナーや子らと和食を食べたこともあったっけ。
ピアニストとしては、美加のご贔屓Chet Bakerとの共演経験もあり、
さらにアフガニスタンのRUBABという楽器も手がけていた。
来日中に一度聴かせて貰ったが、別世界に飛べる不思議な響きの楽器であった!
現在は伴侶のLENAと、50代後半になって授かった
愛らしい10歳のLUCYとベルリンで家庭を築いている。

LARRY PORTER.jpg

今年のメールには、我々と同様、
COVID-19によるミュージシャンの苦境も綴られながら、
日々Compose(作曲)しているとも書かれていた。
来日当時、彼は「美加は僕のGuardian Angel」と口にし、
先輩の女性シンガーから「美加ちゃん、子持ちの守護天使?」とからかわれたっけ。
今では全て、佳き想い出。Larry一家が来日できる日、
我々夫婦がベルリンに行ける日、どちらにも期待し、前向きになろう!

nice!(0)  コメント(0) 

”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.102『大人は判ってくれない』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1959年 フランス映画 フランソワ・トリュフォー監督
『大人は判ってくれない』
(Les Quatre Cents Coups) 

今でも小さなカフェの壁に、とっくりセーターの襟を伸ばして
口を覆う少年のポスターを見ることがある。
亡き野口久光先生の手になる、アントワーヌ・ドワネルの姿。
途端にせつなさが込み上げる。
本作はトリュフォー監督の記念すべき長編第一作であり、
新しい映画の夜明けを見せつける、みずみずしい傑作。

大人は判ってくれない.jpeg

美しいモノクロームの街角を映していくカメラ。
低いアングルは、12歳の主人公アントワーヌの目線を想わせる。
いわゆる問題児である彼の日常を、説明を排除し、
少年の存在感のみを最大限に引き出すトリュフォー。
ヌーヴェル・ヴァーグの同士ともいえる、
ジャンヌ・モローやジャン・クロード・ブリアリなども友情カメオ出演。

大人は判ってくれない (2).jpeg

トリュフォーの分身的なアントワーヌを演じた
ジャン・ピエール・レオーは、本作後も『二十歳の恋』(’62)
『夜霧の恋人たち』(’68)『家庭』(’70)
『逃げ去る恋』(’79)と、”アントワーヌ・ドワネル”を生きてゆくことになる。
この実験的にして類想のないシリーズを作り上げ、
さらに”愛のシネアスト”として普遍的なラヴ・ストーリーの数々を紡いだトリュフォー。
52歳の死は早すぎるが、遺した名作を観る倖せが私たちにはあるのだ。

nice!(0)  コメント(0)