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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.224『恋の手ほどき』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1958年 アメリカ映画 ヴィンセント・ミネリ監督
(GIGI)

嘗て”花嫁修業”という言葉があったっけ。
でも、”愛人修業”なんて聞いたことないなあ!
仏・米ハーフでありバレリーナ出身、
’50年代のハリウッド・ミュージカルで重宝されたレスリー・キャロンが、
20代後半にさしかかりながら、
コレット原作の15歳のヒロイン・ジジに扮する。

モーリス・シュヴァリエがフランス語訛のアクセントで歌い出す滑り出し。
甥のルイ・ジュールダンともに、
新鮮なアフェアを求める富豪である。
時は1900年のパリ。
花嫁より愛人を所望する殿方に相対するのは・・・?

恋の手ほどき (3).jpg 恋の手ほどき (2).jpg

赤の壁紙に赤の家具が並ぶアパートメントに、
祖母と母と暮らすジジ。
女系一家に追い打ちをかけるのは
嘗ての美女・大叔母の存在。
男性不在のこの一家、どうやら我が国でいえば
”花街の母”の世界かなとわかってくる。
33歳のプレイボーイと15歳の花街娘、最後に笑う者は?

恋の手ほどき.jpg

久々に観なおし、レスリーの演技に
ジュディ・ガーランドの影響を感じた。
ミュージカル化にはコミカルな味を出せる女優が不可欠であり、
なにしろ監督はジュディの夫君であったヴィンセント・ミネリ。
フェミニストが憤慨しそうなストーリーも、
無難にオブラートでくるまれている。

パリを舞台に仕立てられたミュージカルは
同じくレスリーがジーン・ケリーと共演した『巴里のアメリカ人』(’51)
ケリーが三人の美女と相まみえる、『羅生門』をモチーフにした『魅惑の巴里』(57’)
フランク・シナトラ、シャーリー・マックレーンに、ジュールダンが絡む『カンカン』(’60)など、
衣裳やプロダクション・デザインも十分に楽しめる。
どうぞご覧あれ!

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