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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.221『恋人たちの食卓』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1994年 台湾映画 アン・リー監督
(Eat Drink Man Woman)
 
これだけ豪華な料理がひしめき合いながら、
”グルメ映画”とは呼び捨てられない一作。
アジア人でオスカー(監督賞)を二度も受賞した数少ない映画監督である
アン・リー初期の”父親三部作”の最後を飾る力作。
 
冒頭の数分は、目を凝らして観て欲しい。
グルメであった亡き父・巨泉のお陰で、様々な有名中華料理店を知る美加であるが、
厨房内に入ったことはない。
本作のファースト・シーン、お見逃しなく!
 
恋人たちの食卓 (3).jpg 恋人たちの食卓 (2).jpg
 
生真面目な長女、勝気な次女、甘えん坊の三女を抱える、
嘗て五つ星ホテルのシェフであったやもめの父親に扮するのは、
三部作を通じて演じきる名優ラン・シャン。
それぞれの恋に悩む三姉妹を御しきれず、旧友にこぼす父のひとこと。
「ひとは食欲と性欲に一生振りまわされるのさ」 含蓄あるお言葉!
恋人たちの食卓.jpg
 
アン・リー監督は中国料理の美学を伝えたい熱意とともに、
命をいただく”食”と、心を砕く”愛”を人生の二大イヴェントとして並べたのだろうな。
心に身体に、美味しいものを求め続けなければ佳き人生は送れない。
目でお腹は一杯に、心はシャキッとする映画!

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