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"大橋美加のシネマフル・デイズ”No.210『けんかえれじい』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1966年 日本映画 鈴木清順監督
 
『ツィゴイネルワイゼン』(’80)にハマり、
鈴木清順に興味を持った。
商業映画を作ってきたひととは思えない、
アヴァンギャルドな作品であったから。
その後の清順作品は観てゆくようになるのだが、
日活時代の作品としては、本作が初めてだったかも。
 
昭和初期の岡山、
喧嘩に明け暮れる10代の麒六(キロク)の青春が描かれる。
演じるのは21~22歳の高橋英樹、
まさに大熱演。
スラプスティック・コメディよろしく、
繰り返されるドタバタ。
こいつら心底おバカなのかと呆れるうち、
ああ、性的抑制剤でもあるのねと嗤う。男子は大変だ。
 
けんかえれじい.jpg けんかえれじい (2).jpg
 
”画”の作り方が面白い。
当時、寺山修司の実験映画はなかり観ていたが、
似ているようで違う。
実体とまぼろしがパラレル・ワールドで隣接しているような、不確かさ。
いやあ、この時代からアート系でしょう、鈴木清順!
「つかめるものは何もない」とぶつけてくる、やるせなさが痛い。
英樹、あの”ピアノ凌辱シーン”は、何を考えて演じたのだろう!?
 
悲劇のヒロイン・道子に扮するのは、
我が継母・浅野順子(当時の芸名)。
美加のインタヴュー(笑)に、
「当時は高校生で、ショート・ヘアだったから、あの長い髪は付け毛。
    監督は変わったかただなあと思った」と語ってくれたっけ。
 
”ケ”から始まる手持ちのDVDは本作で終わりとし、
次回は”コ”から始まる作品を観なおしていきたい。
これが意外に多く80作ほどあり、さあ、どれを選ぼうか・・・

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