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”大橋美加のシネマフル・デイズ”No.123『狼の血族』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1984年 イギリス映画 ニール・ジョーダン監督『狼の血族』
(The Company of Wolves)

物語のなかの物語。またその物語のなかの物語。
マトリョーシカのように、どんどん出てくる。
深い森。赤いケープの少女。ひとり暮らしのおばあさん。
そうくれば、グリム童話の『赤ずきん』だけれど、
ニール・ジョーダンはそれだけでは終わらせない。

眠り続ける少女。夢のなかの夢、またその夢のなかの夢。
べったりと口紅の塗られた唇を半開きにして、うなされる少女。
「オトコは皆、オオカミ」と言われて育つ女の子は、オオカミに興味津々。
こわいものは指の間から見たくなるもの。
少年のように欲望が明確でないだけ、
妄想に苛まれる少女の姿は蠱惑的。
”オオカミ”を、本物の”狼”にして、
狼男伝説も絡めちゃう、遊び心。

狼の血族 (2).jpeg 狼の血族.jpeg

アイリッシュであるニール・ジョーダンは、
ダーク・ファンタジーである本作の”恐怖の美学”で注目され、
ジャズソングをモチーフにした『モナ・リザ』(’86)
『スターダスト』(’91)などを経て、『クライング・ゲーム』(’92)で
オスカー(脚本賞)を獲得。スティーヴン・レイはこの出世作にも登場。
強面に合った役、うわあ、こわい!

ちなみに『赤ずきん』のパロディとして、
デイヴィッド・スレイド監督『ハード・キャンディ』(2006)はぶっ飛びの衝撃作。
男性諸氏よ、「赤ずきんちゃんに、気をつけて!」

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