SSブログ

大橋美加の”シネマフル・デイズ”⑤『アルファヴィル』 [大橋美加のシネマフル・デイズ]

1965年 フランス・イタリア合作映画 ジャン=リュック・ゴダール監督『アルファヴィル』
( Alphaville, une étrange aventure de Lemmy Caution)

ゴダールは人を食っている。
ヌーヴェル・ヴァーグの映画作家のなかでも、
とりわけ実験的な作風を貫いてきた。
本作では、パリ市街のモノクローム撮影のみでありながら、
なんと”SF映画”と謳い、観客を煙に巻く。
騙されたと思ってご覧あれ。不安感を煽る効果音と、
もっともらしいナレーションにより、
「そうか、ここは星雲都市アルファヴィルか・・・」と
思わざるを得ない。

Alphaville.jpg

主人公の諜報員に扮するのは睨みの利いた
エディ・コンスタンティーヌ。
彼の当たり役”レミー・コーション”が
本作での名前にもなっている遊び心。
吸い込まれそうな大きな瞳のアンナ・カリーナが人形のように対峙する。
当時はまだゴダール夫人だったか。昨年亡くなってしまった。

ひとこと添えたい。”シネマフル・デイズ”①で
想い出を語ったばかりの大林宣彦監督が
新作『海辺の映画館 キネマの玉手箱』の公開を見ずに
逝ってしまわれた。
「映画はつくりもの。だからこそ、
人に信じてもらわないといけないんだよ」というお言葉が心をよぎる。
想像力は人間の特権。
あなたも”星雲都市アルファヴィル”で愛を見つけて!  

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント