『ルイーサ』

女性の名前がタイトルになっている映画はたくさんあります。
まず思い浮かぶのはフレッド・ジンネマン監督『ジュリア』、
ジョン・カサヴェテス監督『グロリア』、
ともに力強く生き抜くヒロインが印象的でした。

アルゼンチンのゴンサロ・カルサーダ監督による『ルイーサ』のヒロインは
ブエノスアイレスに住む、孤独な60歳のルイーサ。

部屋の壁に映る、彼女と愛猫のシルエット、
猫に話しかける台詞から、いとしさが伝わってきます。

朝、身支度するルイーサの様子が淡々と映し出されます。
ROUTINE以外の何ものでもない生活が、ある日、突然崩れるのです。
過去に耐え難い悲劇に遭っている女性が、再び直面する苦渋。
このうえない悲劇をこのような味付けで描いた映画がほかにあったでしょうか？

なんと原作はメトロビア（地下鉄会社）が行なった、
地下鉄を舞台にした長編脚本コンクールの大賞作品！

だから良いのです！個人的な悲劇にとどまらず、
街が、人々が、ヒロインを包み込んでいるから、
感情に流されない、「人生力」に溢れた個性的な映画になっているのです。

ヒロインに扮するレオノール・マンソは本作で25年ぶりに映画復帰した大ヴェテラン。
怒りと悲しみのなかに突如あらわれる愛嬌ある表情が魅力的！

タグ：ルイーザ

コメント 1

Twitterでフォローさせていただいた＠masa57saiです。
映画館での一人映画鑑賞が好きなわたしです。
今回、大橋美加さんと巡り会うことができ
映画好きでこんな素敵なブログも書かれ
大変うれしく感謝、感謝です。
JAZZに映画ブログ、楽しみにしています。
応援していますのでがんばってください。
この映画、観たいのですがまだ都心だけみたいですね。
近くで公開されたら観に行きます。
by masa57sai (2010-09-10 22:39)